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人は否定語を想像できなということは犬も否定語を想像できない?|読書ノート①

『神さま:紫色のバナナのことを考えないようにしてごらん、今。
みつろう:紫色のバナナのことを考えないようにする? みかんでも考えればいいの?
神さま:違う! そしてもう実験は終わった。
「紫色のバナナことだけは考えるな」と言われたのに、人間は「紫色のバナナ」のことを考えるんじゃ。実際、お前は今、何を想像した?
みつろう:思いっきり、想像しましたね……。紫色の、グロテスクなバナナを。想像するなと言われたのに、想像しちゃったのか……。
(中略)
神さま:「想像」という手法は言葉を軽く超えておる。嫌いなものを「嫌いだ」と考えるんじゃなくて、好きなものを「好きだ」と考えるんじゃ! 
甘いものがほしいなら、甘いものを想像しなさい。
「苦いものは嫌いです」と言っている間、ずーっと苦いものを想像しつづけているなんてアホすぎるぞ!
今なら「不幸なんて大っ嫌いです」という願いと、「幸せになりたいんです」という願い。この2つの違いが、明確にわかるじゃろ?』

今、はまっている、さとうみつろうさんの著書『神さまとのおしゃべり』(サンマーク出版)からの引用です。
主人公のみつろうが、神さまの教えを学ぶことによって、人生が劇的に変化していく過程が、神さまとみつろうの会話形式で面白おかしく、でもわかりやすく書かれています。

この本には“神さまからの宿題”が出されます。
現在、私は『「なにが嫌い」と言う回数を減らし、「なにが好きか」を言える時間を増やす』という宿題に取り組んでいる最中です。

人は否定語を想像できない、理解できない。だから、否定的な言葉ではなく、肯定的な言葉を多く使ったほうがいい。
これは、よく本にも書いてあるし、耳にもします。
以前参加したセミナーでも、「ピンクのゾウを想像しないで」と言われて、パッとピンクのゾウが頭に浮かんで、驚いた経験があります。
ということは、以前から知っていましたし、体験もしています。
でも、できていませんでした。
“知っている”と“できる”の間には高い壁があるとよく言われるように、知っていてもできなければ意味がありません。
この宿題に取り組むことで、得た知識や技術はどんどん実践して自分のものにしていかなければ意味がないと、改めて実感。

さて、この宿題に取り組もうとして、気付いたことがあります。
それは、自分自身の発する言葉や思考に否定語が多いということは、愛犬への声かけにも否定語が多いということ。
わが家の愛犬は、自分以外の犬が苦手で人も苦手、慣れるまでにはかなり時間がかかり、警戒心が強く怖がり、食が細くお肌とお腹がよわよわの犬です。
私が愛犬にかけている言葉は、もちろん「かわいい」や「イイコ」などの褒め言葉が多いですが、日常的にかけている言葉で、否定語も多いことに気づきました。
散歩中にかける否定語としては、「引っぱらないで」、「壁にスリスリしないで」、「そっちには行かないよ」など。
そして、家でもよく言う否定語は、「食べないの?」、「かゆくないよー、なめないで」、「今日は下してなくてよかったね」、「(雷が鳴っているときに)怖くないよ」などなど。

愛犬が興奮して引っぱったら、「引っぱらないで」と声をかけることで、私は引っぱることを意識し、犬も「引っぱらなくちゃ!」となる。
同じように、私が「壁をスリスリする」ことを意識するから犬も壁をスリスリして汚れ、「そっちには行かない」と「そっち」を意識するから、犬も
「そっちへ行きたい!」とそっちを向いて立ち止まる。
年中、皮膚疾患に悩む愛犬に「かゆみ」と「なめる」ことを意識させ、食が細い犬に「食べない」と言い続けることでさらに食べなくなり、お腹が弱いからとお腹を下すことを前提に健康チェックをし、雷が怖い犬に「怖くない」と言うことで怖さに拍車をかけ……。

ということで、まずは、愛犬に否定語を使わないように心がけることにしました。
基本に戻って「ツイテ」や「マッテ」を徹底して、私の横についてアイコンタクトを取りながら歩いてもらえば、「引っぱらないで」も「壁をスリスリしないで」も「そっちに行かないよ」も言わないで済みます。
かゆみや体をなめること、ごはんを残す、お腹を下してしまうことに対しての肯定的な声かけはよくわからないので、ほかの部分でできていることや健康的なことに対してのポジティブな声かけを増やすようにしました。

そして、ここで、さらなる気づき。
「できていること」を探すことは、コーチとして私の得意分野。
というより、「できていることの確認=現在地の確認」はコーチングの基本中の基本であり、私がコーチングセッションにおいてだけではなく、日常生活でも基本スタンスとしていたはずなのに、愛犬に対してはできていなかったとは……。
今までなにをやっていたの! と自分を責めたり情けなくなったりしましたが、気づけたことに感謝して、愛犬への声かけを改めています。

宿題に取り組み始めてまだ数日のため、愛犬の変化はよくわかりませんが、私自身の変化はありました。
それは、心の余裕が生まれること。
心の余裕が生まれると、精神的にも安定して、ご機嫌で過ごせる時間が増えること。
「○○しないで」や心配している部分にばかり注目して声をかけていたときよりも、明らかに自分自身が明るい気持ちになり、余裕があります。
それが好循環となり、さらに愛犬にかける言葉が否定語が減っていき、自分自身に対してや、周囲の人や起きた出来事に対しても否定語が減ってきています。
その結果、 “神さまの宿題”の『「なにが好きか」を言える時間を増やす』ことにつながります。
いきなり否定語をやめようと思ってもなかなか難しいので、まずは、大切な存在に対して「否定語を使わない」と決めるとうまくいくのかもしれません。

これからも宿題に取り組んでいく中で、愛犬にも変化があったら、また記録に残したいと思います。
そして、今まで愛犬に対して、否定語をたくさん使ってきてしまったことを申し訳なく思います。
愛犬の脳内にも心にも、ポジティブな言葉があふれて、ご機嫌な毎日になりますように!


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