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We will が完全解釈一致の EP だった、という感想文

最初に


2024 年のライブツアー「We will」が始まる一週間前くらいに突如アナウンスされて先行配信が開始された「We will」の 4 曲を聴いた感想文を書いてみただけの文章です。

milky way だけ少し歌詞を紐解いているけど、あくまで僕の主観なので悪しからず。その過程で少しアニメ化されていない範囲の原作に触れます。

We will


「少し未来の結束バンドのメンバーが それぞれデモを持ち寄り作りあげた コンセプトEP!」とのこと。

今までは基本的にひとりが作詞、リョウが作曲・アレンジだったのに対して、「それぞれデモを持ち寄り」っていうのが今までと違うところです。

歌も各メンバーが一曲ずつ歌っています。

先に感想を一言でまとめると、「完全解釈一致の EP」です。

milky way


  • 作詞・作曲:石原慎也(Saucy Dog)

  • 編曲:三井律郎

喜多ちゃん曲。

4 曲の中で一番シンプルなメロディで、その分控えめな印象。でもそこが解釈一致で、喜多ちゃんがメロディを考えたらこんな感じになりそうで好きです。

歌詞に出てくる「連絡駅」って何だろう?と思って調べてみたら「乗換駅」のことらしい(この表現って一般的?知らないの自分だけ?)。

歌詞をみると、上手く説明できないけど喜多ちゃんでしかない歌詞だと思う。

歌詞で気になったのが以下の 2 箇所で、

サテライトもしもを
叶える為にここまで来たんだよね

サテライトもしもを
叶えたいだって私が来たんだから

結束バンド We will 「milky way」

これは「サテライトもしも」の区切り方であっているのだろうか?

そもそもサテライトって何だっけ?と思って調べてみたら、意味が二通りあるらしいです。

  1. 衛星

  2. 大規模な空港の補助ターミナル

ターミナルって何だ?と思ってまた調べると、ターミナルは「終着駅」らしい。

終着駅だとすると、楽曲提供の Saucy Dog の石原さんのコメントの「これが終点じゃないことを伝えたくて」と合わないので、終着駅は外してよさそうです。


というわけで衛星ととるのがよさそうですが、「衛星=自分以外の誰か」みたいな感じだとすると、ひとりの「もしも」を叶えたい、と受け取れそう?・・・ぼ喜多の波動を感じる・・・。原作の喜多ちゃんのセリフを受けてなんでしょうね。

喜多ちゃん:私は一人だと後藤さんみたいな人を惹きつけられるような演奏はできない・・・けど皆と合わせるのは得意みたいだから―――

ぼっち・ざ・ろっく! 原作第 2 巻 68 ページ

ちなみに、以前に星座になれたらの歌詞解釈を投稿したときにも書いたのですが、僕のぼ喜多の解釈はひとりが鈍感系主人公であることによって喜多ちゃんからの完全一方通行になっているという、多分他の人と相容れない思想になっています(なぜその理解になったのかは以下のリンクに書いたので省きます)。

何にしてもエモさがあって、「喜多ちゃん歌詞書けるやん」となってしまった。なんで原作だと下ネタみたいな歌詞書いてしまったんですか?

惑う星


  • 作詞・作曲:大木伸夫(ACIDMAN)

  • 編曲:三井律郎

リョウ曲。

アニメ化された範囲の原作の続きで弾けることが判明している、ヴァイオリンを取り入れていて、それによって緊張感のあるイントロと共に曲が始まります。

明らかにシリアスな印象を抱く曲調なのが、リョウの音楽に対する芯の強さを感じられてこれもまた解釈一致です。

メロディとアレンジが結束バンド曲の中でもかなり好きな部類です。A メロのタイトなリズムギターが結構好き。また、サビでメロディアスで明るくなるのも、(割と全部だし歪みまくっている)2 番と C メロの間で暴れまくってるベースも良い。

それにしても、上手いのは知っていたけど、リョウの声優の水野朔さんってここまで歌上手かったんだ!と改めてなりました。何より熱量を感じる歌唱なのが個人的に好きで、リョウがこれを歌っていると考えると普段クールな感じなのにギャップが凄まじくて良いです。

この曲については歌詞をあえて考えないことにします。理由はリョウの一言で足りるはず。

リョウ:音を聴け音を

ぼっち・ざ・ろっく! 原作 2 巻 39 ページ

UNITE


  • 作詞・作曲:04 Limited Sazabys

  • 編曲:akkin

虹夏曲。

めちゃくちゃメロコア。原作でもメロコア好きと語られていたので、完全に解釈一致な曲。

虹夏:あたしはメロコアとかジャパニーズパンクかな?

ぼっち・ざ・ろっく! 原作 1 巻 27 ページ

個人的には昔よく聞いていた ELLEGARDEN を思い出しました。ELLEGARDEN は今でもカラオケに行ったら歌うくらいには好きです。

この曲は虹夏しか歌えないんじゃないか?と感じました。喜多ちゃんは歌えるけど、ここまでちゃんとメロコアにはならなそう(長谷川育美さんが歌えないとかではなく、あくまでキャラとして方向性が違うと思うという話です、念のため)。リョウは意外といけるのかも?と思うけど、乗り気ではなさそう。ひとりは・・・多分途中で呼吸するタイミングを逃して倒れそう。

歌詞もすごく虹夏っぽい。特に、

動き出しそうなファンタジー

結束バンド We will 「UNITE」

このフレーズは他のメンバーからは出ないと思う。完全に虹夏だな、と感じます。

そして永遠に刻んでいるリズムギター(喜多ちゃん)。このテンポで 16 分が入るのは初心者には結構きつそうだけど、「少しあと」が無限の免罪符になるし良いか。C メロ前に喜多ちゃんパートで指弾き(だと思う)アルペジオが入ってピック弾きとはまた別の難かしさが発生しているのも良し。

夢を束ねて


  • 作詞・作曲:佐藤千亜妃

  • 編曲:三井律郎

ひとり曲。

「絶対続けていくんだ!」みたいなほかのメンバーの詩とは対照的に、ひとりだけ「続いてほしいなぁ」くらいの感じ。これ以上ないくらいひとりらしいバラード。

夢の隣だと
呼吸がしやすいから
生きながらえてしまうよ

結束バンド We will 「夢を束ねて」

「生きながらえてしまう」というフレーズがもうひとりの歌詞でしかないと僕は勝手に感じました。他の曲もそうだけど、制作陣のキャラクターの解像度が高くて解釈一致が溢れています。

「Re:Re:」の時も感じたけど、ひとりの声優を担当している青山吉能さんの歌唱はこれ以上上手く歌ってしまうともうひとりじゃなくなる、というぎりぎりを攻めている感じがする。抑えて歌えるのは地の上手さがあってこそで、声優さんってやっぱりすごいなぁと思いました(小並感)。

最後に


どの曲もそれぞれのキャラクターにめちゃくちゃ合っているな、と感じました。普段自分たちが歌うために曲を作っている方々が、キャラクターに寄せるのってかなり難しいような気がするのだけど、やっぱりプロの力なんですね。

個人的には「惑う星」が、なんなら結束バンドの全曲の中でも一番かもしれない。こういう曲調増えないかな?と思ったけど、このシリアスな曲調に普段のひとりの歌詞が上手くハマるのか?というとよくわからない(あんまり合わない気もする)。

あと、全曲作詞作曲が同じ方というのも結構ポイントなのかもしれない。もちろん、今回のコンセプトに合うようにどちらもできる人にお願いしたんでしょうけど、普段と違う形で違う個性が集まっている感が出ていて面白いです。

この曲とともにツアーがスタートしますが、悲しいことに僕は全公演外れました。リセール当たらないかなぁ・・・。ライブビューイングはせめて当たってくれないかな・・・。

以上、感想文でした。

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