今後、プロレスデビューしたい人へ

タイトルマッチを完敗で終え、ようやく情緒が回復してきた昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか?
ようやく週の最初に先週起こったプロレス界のニュースについて語る「週刊男色ディーノ」が戻ってくるわけですが、先週ってなんかありましたっけ?
あまりこれと言って私にまで届いてくる話題がなかった気がするので(私の情報の得方が偏ってるので大きなニュースがあったらゴメン)、今回は少し前から棚上げしていた武知海青さんの件を含む、プロレスデビューについて語ってみます。

そもそも、なぜこの話題をこれまで棚上げしていたかというと。
武知さんのデビューは決まったけど、どれくらい続けるのかがわからないからです。
芸能人のプロレスデビューはもはやそこまで珍しいことではありません。
ですが多くの芸能人の場合「デビュー」がゴールだったりします。
なので、同業者になる予定の私からすると、どのように見ればいいのかわからないのです。
あ、別にデビューしてすぐに辞める人が悪いって言ってるわけじゃないです。
そこは誤解なきよう。
だって、その人の人生なんですから。
好きなように生きたらいいと私は思っています。
始めるも辞めるも、自分が幸せになるために選べばいいんですよ。
ただ、辛いことがあってその都度逃げてたら、辛いことの先にある幸せを掴めなかったりします。そこのところの見極めは難しいんだけれども。
金八っぽい感じで言うならば、「辛い」という漢字と「幸せ」という漢字は棒一本だけの違い、言うなれば紙一重なんです。(…思い付きの割にはそれっぽいこと言えてると思ってるんだけど、これ誰か言ってた?)
辛さの先にある幸せが見えなければ、辞めたっていいんですよ。
逆に言えば、幸せの前には何かしらの辛さがあるもんなんです。
紙一重、一の違いの見極めが幸せへの道なんでしょうね。

というわけで、プロレスデビューの話です。
プロレスデビューにおいて芸能人は有利です。
場合によっては、例えば柔道やレスリングや空手といったプロレス以外の競技で値を馳せた人と同等かそれ以上に有利な面があります。
なぜなら、プロレスってのは話題を作ってナンボの商売だからです。

プロレスって、必ずお客さんが存在します。
考え方にもよるのですが、たいていの主催者の考え方としては
たとえ試合に勝ってもお客さんが楽しめなければその試合の評価が高くならないケースが多いです。
ここでのポイントは「いち個人の考え方」ではなく、「主催者の考え方」です。
個人として勝利至上主義の人もいるでしょう。
ですが、繰り返しますがプロレスにはお客さんが存在します。
つまり、ビジネスなんです。
試合を組む人が責任者であり、ボスでもあります。
その立場で考えると、お客さんが喜ぶ試合の方が商品価値は高くなりがちです。
そういう意味で芸能人がチヤホヤされます。
ただね、ことプロレスにおいては、そこから先が勝負だったりします。

芸能人がプロレスデビューして、話題を作って、お客さんを呼んだとします。
それでその時来てくれたお客さんが喜ぶ。
素晴らしいことだと思う。
でも、本当の意味で「プロレスをやって心が震える」のは、古参のプロレスファンと連れてきた新規のプロレスファンを融合させられた時なんです。
その意味で、芸能人のプロレスデビューはちょっと覚悟が必要かもしれません。
なぜなら、古参のプロレスファンは「片手間でプロレスやるんじゃないか」と疑って見ているからです。
そこを覆すのには、少々時間がかかるでしょう。
お客さんはね、色々な見方をしている人がいます。
無条件で応援してくれる人もいるでしょう。
一度いい試合をしたくらいではまだ認めないって人もいる。
最初から「どうせ二束のワラジなんでしょ」って斜に構えて見る人もいる。
良かったところに目を向ける人もいれば、粗探しをする人も。

でもね、どの見方も、間違いではないんです。
私の立場からは好きなように見て楽しんでくれとは思ってますが、
もっと楽しむために見ればいいのになぁと、思ってしまう見方をする人もいます。
でも全部ひっくるめて、プロレスってそういうもんなんです。
好きに見たらいい。好きに思えばいい。
ただ、他人に自分の見方を押しつけるのはあまり褒められたもんじゃないとは思いますが。
話を戻すと、プロレスやってて心が震えるのは、新規のお客さんも古参のお客さんも両方が喜んでくれた時なんです。
少なくとも私は。
上記のように、色んな見方をする人がいる以上、100%が喜ぶなんてありません。
母数が増えれば増えるほど。
でも、特に自分のファンじゃない人でも自分の戦いで喜んでくれた時は、やってて良かったと思えます。
あとは、自分の仕事ができた時。
プロレスには、どうしても注目度が高い選手とそうでない選手がいます。
芸能人選手は注目度が高くなりがちなので当てはまりませんが、注目度が低くても自分の役割というのは確実にあるのです。それを全うして自分以外の人が輝いた時も、やってて良かったと思えます。これに関しては、人によって変わってくるかもしれませんが。
自分に注目が集まらなくとも喜んでもらうことができる。
プロレスってそういう競技なんですよ。
「〇〇かっこよかったね」
ってなった裏には、〇〇をかっこよくさせてくれた××が必ずいます。
そういうジャンルなんです。

なのでこれからプロレスラーを目指す人に対して、僭越ながら私から意見を述べさせていただきます。

腐るな。

どうしても、自分の思い通りにならないことは出てきます。
他人と比べられることも多々ある。
当然、自分だけ劣っていると痛感することもある。
長く続ければ続けるだけ、そうなります。
そんな時に、誰の顔が浮かぶか。ここが重要だと私は思っています。
私の場合は、初めてプロレスを見る人です。
その人が楽しめているかどうか。
いや、どの顔が浮かんだら正解、とかはないんです。
自分のファンでもいいし、家族でもいいし、アンチでもいいでしょう。
要は何のために自分は頑張れるのかを自分が知っといた方がいいって話です。

プロレスデビューは多くの場合はスタートです。
プロレスを使って、何を表現したいのか。
見ている人に何を与えたいのか。
私にはまだ答えがわかってませんし、たぶんこれからもわかりません。
ただ、考え続けてはいます。
ただ、そういう人生でよかったなって思っています。
腐ってる間に、何かは出来ます。
腐ってる時間は単純にもったいないです。
だから、腐るな。

ここからは、デビューを控えた武知さんへの私信です。
もちろん私は武知さんとは面識はありません。
なんなら、DDTの偉い人が私とは接触させない可能性もあるくらいです。
なので下手したら、一生会わないないままかもしれません。
だからこその私信。
当然、武知さんが読むとも思ってませんが。
デビューする前に言っときたいなっていう事を私が勝手に書いときたいだけの話です。

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今のところ、私はあえて「武知さん」と言ってます。
それはまだプロレスデビューしてないから。
デビューしたらおそらく私は海青ちゃんと呼ぶことになるでしょう。
その前に。

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