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おっちゃんへのLOVE LETTER

母の弟のおっちゃん。
独身、長身、エンジニア。
定年を迎えてからは、更に独身を満喫、県外で再就職。
ランエボと、ホンダのCBを乗り回すおっちゃん。
たまには地元に帰って来なよ!
と言いたくなるくらい方方に遊んでくれるご友人がいるおっちゃん。
姪の私から見ても、嫌な「おっさん感」はまったくなく、とっても優しいおっちゃん。
大人しめで、口数の少ない、やさしいおっちゃん。

今日はそんなおっちゃんとの思い出話を書き連ねます。


①幼い頃、母と、私たち兄弟と、おっちゃんとで、一緒にディズニーランドに行きました。
テンションが上がった私は発熱してしまい、終日おっちゃんにおぶさってもらうという失態。
申し訳なかったな。
まあでも自分で歩かずに済んだので楽でした。えへ。
あと背の高いおっちゃんの背中からパレードを見れたのもとてもよかった。えへ。


②小さかった頃、好きな服買ってやる!と言われた私は
何を思ったのか、フリフリの結婚式に来ていくようなドレスを選びました。
「それ結婚式とかに着ていくやつやろ!」という周囲の声を無視し、
「本人が欲しいって言いよるんやけん、ええんよ」と言ってくれたおっちゃん。
結局2回しか着なかったんですが、あのときおっちゃんが私の意見を尊重してくれたのは嬉しかった。
レディとして扱ってもらえた初めての出来事だったかもしれない。
でももしできることなら、当時の私に「その服はやめときなさい」と言いたい。


③祖父母の法要で、親戚が母の実家に大集合していたとき。
玄関の大量の靴が並んでいました。みんなが黒い靴で、どれが誰のかまったく分かりません。
外に出ようとしたわたしとおっちゃんは自分の靴を探します。
するとおっちゃんがいきなり
「靴、デカ!」と叫びました。
「えこの靴だれの?」
騒ぎ立てたい訳ではなく、純粋に疑問だったようです。

「私のだよ。」

そう、私のパンプス(24.5㎝)を指さして叫んでいました。
あのね、おっちゃんの靴よりは小さいんだよ!可愛らしい足なんだよ!

おっちゃんはひとしきり笑ったあと、靴を履いてすっと出て行ってましたね。許すまじ……!


④今の会社に入社し、研修後に配属先が決定。隣の県へお引越しとなりました。
父親が仕事で来られず、その代わりに引越しのお手伝いに来てくれたのがおっちゃんです。
車に家具家電をすべて載せてくれて、ついでに母も助手席に乗せて、隣県の私の新居へ向かいます。

到着しておっちゃんに言われたのが、
「え…、本当にこの部屋にしたの?」
「なんで目の前に理工学部がある部屋にしたの!?」
「あなたアホなの!?」
と割と真面目に怒られました。

わ、私、今女性として怒られてる…!
と変に感動したのを覚えています。
そうか、確かに気を付けるべきところでしたね。
家賃と立地だけで考えてしまった。甘かったです。
無駄に心配をかけてしまいました。
おっちゃん安心してね、私は元気ですよ。ありがとうね。


⑤「あなた、ぼくの養子にならん?」と言われたこともありました。
別になってもいいけど、いつかまた結婚して出ていくかもしれんけどね、というと「そうよね…」と遠い目をされました。
おっちゃんを振ってしまいました……ごめんね!



先日、そのおっちゃんの葬儀がありました。

訃報を聞いたときは信じられなかった。
まだ60代で、車やバイクを乗り回して、いつも楽しそうにしてたのに。
突然の訃報でした。
今でも信じられません。

つい先日、兄と
「昔おっちゃんとディズニー行ったよね。私あのときの写真をスマホで撮ってきたんよー」
と言いながら思い出話に華を咲かせていたのです。
母から「そういえば熱が出てるから、GWは帰らんって連絡が来たわ」と聞かされていたのです。
あのときにおっちゃんに電話かメールでもすればよかった。
たまには声を聞きたいと思ってみるけれど、ついつい横着してしまう(稲葉浩志/LOVE LETTER)。

私も叔父も県外に出ていて、且つコロナ禍だったのもあり、ここ数年間は年に1回会えるかな、くらい。
いつも「またゆっくり会お~」くらいで適当に済ませていた気がします。
いつかっていつやねん。
またねじゃねーわ。
私のアホ。

きっとそれは母も親族もみんな思ってると思う。
母と伯父が目に見えて憔悴しきっていて、それもまた辛かった。
きっとおっちゃんの死に責任を感じているのではないかしら。
母と伯父さんのせいじゃないよ。
しっかり見送ってあげたら、それでもういいのよ。大丈夫よ。

葬儀には、親戚と、おっちゃんのお友達がたくさん集まってました。
そこでまたおっちゃんの人柄が見えて、なんかじーんとしました。
身内が言うのもなんですけど、そして贔屓目ありで言いますけど、これも全部おっちゃんの人徳かな!

今頃、きっとお空で祖父母とおっちゃんで笑い合ってると思います。
いつか私たちも順番に行くしね。
ほんのつかの間のさよならよ(B’z/TinyDrop)。

おっちゃん、今まで可愛がってくれてありがとうね。
ゆっくり休んでおくれ。

心からのありがとうをおっちゃんに送る!



ここまで読んでいただいてありがとうございます。今日も良い日でありますよーに。