親にされてうれしかったことを書いてみた

「昔うちもよく夏休みに遊んだり旅行したりしたよね」
両親とこんな昔話をしました。

私自身がこどもの頃は、家族5人で毎年夏休みに家族旅行をしていました。
両親と、姉と兄と私。夜更けの内に起き出し、夜明け前に出発です。
いつも子ども3人が後部座席に乗り、足元に黄色いスペースクッションを置いて、3人でわちゃわちゃ笑いっぱなし。
そして早朝のフェリーに搭乗。フェリー内を探検したり、客室で一眠りしたり、お菓子を食べたり。
そしてカメラ好きの父がたくさん写真を撮ってくれて。
ああ懐かしいです。今もとっても楽しいけど、こどもの頃も楽しかったな。

親にされて嬉しかったことを、ふとしたときに思い出します。
今思いつくものを少しだけ書いてみようと思います。

①母の「痛いの痛いの飛んでいけ」。
魔法のようでした。
転んだときに膝から血が出てしまって、焼けるように痛くて涙が出ても、そんなときはすぐに母が駆けつけてくれました。
そして傷口にそっと手を当てて「痛いの痛いの飛んでいけ」という呪文を唱えてくれるのです。
するとどうでしょう。あら不思議、痛みが本当に飛んで行ったのです。
鮮明に覚えています。本当に不思議で、「おかあさんすごい!」と思っていました。

そして今では私がする側に。
やっぱりさすってあげると、痛いのが飛んで行くんですね。
長男にも次男にも、何度もこのおまじないをしました。
火が付いたように泣きだしたときでも、あっという間に泣き止んで再び駆けていきます。
さすって圧迫することで痛みが和らぐんでしょうか。人の力ってすごいね。
今でも次男はお腹が痛いときに「お母さん、お腹なでなでして……」と言いに来ます。可愛いです。

「痛いの痛いの飛んでいけ」と
「だいじょーぶだいじょーぶ」と
「よくなーれよくなーれ」をよく使っています。
あ、「おいしくなーれおいしくなーれ」も使いますね。
どれもがお母さんのスペシャルな魔法ですね。

②お父さんのおんぶ
実家は本当に田舎で、庭に蛍が出るような場所にあります。1両編成のワンマン汽車が走っているような町です。
当時は母屋と離れ、そして蔵とお風呂と納屋、あとはお外のお便所がありました。
お風呂はトトロの草壁家のように、薪をくべてお湯を沸かします。
火加減が難しくて、ぐらぐら沸き過ぎたら急いで湯舟に水を足したりして。
幼心ながらに、シャワーがついている家に憧れたものです。
そしてそんなお風呂は外にあったため、いつも暗やみの中を庭を横切ってお風呂にダッシュしていました。

まだ父とお風呂に入っていたころは、わざと「あ!私のスリッパがなーい!」と嘘をついておんぶして連れて行ってもらっていました。
こどもって本当にあざとかわいいね。
歩くリズムに合わせてゆらゆら。
「大きくなったな〜!」なんて笑われながら、嬉しいような、少し淋しいような、重たくなったことの申し訳無さや、おんぶの卒業を感じたりして。

当時は父も喫煙家だったので、一緒に歩くときはたばこの火がオレンジ色の光のホタルのようで、きれいだった。ゆらゆら揺れるその光を見ていました。今でもその景色を覚えています。



③写真好きな父親が撮ってくれた大量の写真。
当時はもちろんフイルムで、出来上がりまでが本当に楽しみだった。
運動会の写真も、フイルム何本も撮っていて、しかもそれを焼増しして友人たちにも配らされるという……。
恥ずかしくもあり、少し誇らしくもあり。
実家には大量のアルバムがあります。兄弟3人、それぞれのアルバムです。ナンバリングされていますが、今どれだけになっているんだろ。ちなみに今でも写真を印刷してはアルバムに挟んでくれています(あの〜、娘はもうアラフォーですよお父さんお母さん)。
おかげで私もすっかり写真好きになりました。
私の写真好きと音楽好きと本好きは父から、仕事好きと子ども好きは母から受け継がれています。
親の影響ってすごいですね。



④母の寝かしつけ
寝かしつけの前はお布団の中で母とゆっくり喋ったり絵本を読んだりして過ごしていました。
姉と兄は子供部屋の二段ベッドで寝ていたため、就寝時だけは私が両親を独り占め。

暑いときは眠りに落ちるまでうちわで仰いでくれて、寒いときは母が布団の中で抱っこしてくれてたな。
向き合っての抱っこもよかったけど、後ろから抱っこされた方が、背中がぴったり母のお腹にくっついてあったかかったな。
あとは母の脚の間に冷えた足先を入れさせてもらったり。こどもが素足で歩き回ったあとの冷え冷えの足先ですよ。優しさの権化かな。

そして母の大きなゆっくりした呼吸を感じて、すやあっと眠っていました。
でも小1からは私も子供部屋で就寝。貴重な独占タイムは一瞬で過ぎ去ってしまいました。



今では2人とも白髪交じりのおじいちゃんおばあちゃんです。
少しドライですが優しくおもしろい父と、厳しく優しいキレイな母。
わたしの自慢の両親です。

先日、こどもたちと一緒に家族4人でシーカヤック行ってきました。
次男はその気になったときだけスイスイっと漕いでいましたが、長男は豆が潰れるくらい頑張ってた。諦めない心の持ち主です。
とっても楽しく達成感と充実感でいっぱいになり、帰ってから実家の両親にも写真を送り、そこから昔話に花を咲かせていました。

親からしてもらったことを、私もこどもたちにしたいな。ペイフォワードですね。
子育てをしていると、どれだけ自分が親から愛されていたかが分かります。
こどもが立ったり座ったり、食べたり寝たり遊んだり、泣いたり怒ったり、とにかく何しても可愛いんですよ。
親もこういう目線で見守ってくれていたんだろうな。感慨深いですね。

みなさまの、親にされて嬉しかったこと、よかったら教えてください。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。今日も良い日でありますよーに。