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白露 第四十五候 玄鳥去

白露の末候、つばめさるは、 9月17日~21日頃。
これはタイでは全く逆の出来事が起きます。日本で子育てを終えたツバメたちが、暖かいボルネオやフィリピンで越冬するためにタイを通過していくからです。同じように、4月頃には暖かくなりすぎた東南アジアから子育てに適した気候の北方へ向かう様子が見られます。

四月は小さな羽虫が、そして今時分はトンボなどが群をなして飛ぶ時期。長旅をしてきたツバメたちには格好のご馳走です。虫たちを求めて小さな黒い三日月のような形の小鳥たちが縦横に狂おしいほどに急旋回する様は、ちょっと壮観です。

ツバメとトンボの乱舞から、さらに遠くに視線を伸ばすと、雨に洗われて澄んだ午後のチェンマイの青空には、壮麗な積乱雲が湧き上がり、その先端が西に傾いた太陽の透明な光を遮って、アールデコの天使の翼のような形を作っていました。
なんだか、地上でせわしなく命を繋いでいる小さな翼ある生き物を見守る大なものの片翼のようでもありました。

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