日記:I LOVE HER
雪が降っている。寒い。あまり出番のない、紺色のコートを着て外を歩く。トレンチコートでは寒すぎる。やわらかい雪がそっと、コートにくっつく。手袋、髪の毛、マスク、リュックにもくっつく。左ポケットに入れている小さなカイロは無力。雪の中を歩いてて、いくえみ稜の「I love her」を思い出す。ユニコーンの「雪が降る町」を思い出す。奥田民生のセンター分けした髪の毛がゆらゆらと揺れていることを思い出す。雪の中を散歩しているゴールデンレトリーバーの肉球の気持ちを考える。側溝のグレーチングの上を歩くときは冷たいだろうな。イヤフォンから流れるオアシスのwanderwallが雪にも合う。オアシスはなんにでも合う。寒さで身体が冷えているから、考えてばかりの一日。