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複数人での即興練習会2「ひとりのダンス、みんなのダンス」

2回目のダンス即興会。
ダンスを本格的に習った経験のない私は、学校の運動会を除いて今まで即興でしか踊ったことがない。思いつく動きをどんどん体で表していくのは一人で部屋の中でしていてももちろん楽しいが、他の人と一緒にすると、全然違う。自分の動きが他人の体を動かし、他人の体に動かされ、ずっとここにいたいと思う瞬間がある。そんな理由で、DanceSharesの「複数人で即興練習会」に2回目も参加した。

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今回印象に残っているのは、一緒に踊るためにはお互いを意識しないといけないということだ。一番最初にみんなでいきなり踊ったあと、たくさんの人が「他の人と関わっていっていいのかわからなかった」と言っていた。私もその中で踊りながら、みんなと同じ空間でダンスしているのになぜか独りで踊っているような不思議な気持ちになった。人と踊るにも、かかわっていくぞ、かかわられていくぞ、と思っていないと心も体もうまく絡まりあえない。
コンタクトインプロビゼーションをしている方がグループの中にいて、その人はどんどん人に触れた。指、かかと、肘、頭のテッペンのつむじ、文字通り身体中を使って体と体を合わせながら踊る。まるでその人とその周りの人の体がコイルでできていて、電球の灯りを絶やさないようにしているみたいだった。そのダンスは、見ていて何が起きるか分からない、次に何がどんなダンスが生まれてくるんだろうという気持ちになる一方で、植物の成長を見ているような、安心しきった穏やかな気持ちにもなる。

ナビゲーターの五十嵐さんが今回の会で全員に尋ねた、「みなさんは何で今日来てくれたんですか?」という質問に私は「人と踊るため」と答えた。でも人と踊るというのはただ同じ空間で体を動かすこととはなんとなく違うと感じた。その決定的な違うがなんなのかはまだわからないけど、もっと人と踊って探っていきたいと思う。

(渡邊桃子)

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