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泡沫が弾ける瞬間に

 大学生活も終わり春から働き始め早二カ月が経過した。会社の研修自体はありきたりのもので特に目立った真新しさはなかったが同期との関わりが特段楽しかった。大学生活ではあまり活発な方ではなく本を読んでは街中を散歩して自分って何なんでしょうかと日々考えながら生きてきた。当時の自分は自らのことについて考えるのが精一杯だったような気がする。

 四月からは多くのことを経験した。何気ない日に同期の友人らと飯を食いに行ったり飲みに行ったり時折麻雀を打ちに行ったり。しょうもない話を聞いて馬鹿みたいに笑ったり。地元から研修先に行くまでは、俺は一人で会社に行き一人寂しく飯でも食ってるんだろうなと思っていたから嬉しい誤算だった。内示が告げられ夢のような日々が終わり大学生活を過ごした地である配属先に単身向かうことになったわけだがかつて大学生の時に見ていた景色とは変わっていたことに気付いた。
 
 大学生活までの自分といえば親からお金を貰って生計を立てていたわけだから道端で野垂れ死んだりするわけがない。俺って何してるんだろうなと宙ぶらりんな気持ちを常に抱えていた。社会人になりこれからのことは自分のことは自分でなんとかしなきゃいけねえやといった覚悟を持つようになった。

 ただ今の仕事について自分が一生やりたいことかと言われると違うなという気持ちが漠然と湧いている。あくまでも直感にすぎないことで確信付いたものではないけど。

 今の自分の心境としては言葉を使った仕事をやりたい。今の仕事も多少なりともコミュニケーションとしての言葉を使っているわけだが一瞬で消費されるものではなく残り続ける言葉。根本から違うものを自分は欲している。一字一句、字というものを丁重に扱うもの。多少のずれさえも許されない。より完璧に近い言葉を使うこと。

 そんな仕事があるんでしょうかねとは思いつつあるけど、きっとあるんでしょうという希望を持ってないとやってられねえよな。淡い幻想、恋とか愛のような見えないもの。そんなものを追い求めて破滅したらどれだけ素晴らしいのだろう。

 自分の人生ぐらい夢の一つや二つ追い求めてはいいんじゃないでしょうか。夢もないんじゃ現実の世界なんて見ていられない。もっと酔って酔いしれて吐くまで酔って自分の人生について突き詰めていく。結局自分の人生なんだからどうとでもなれ、そんなパンクな精神で生きてえな。


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