解説!よくわからない「あの世」 9 ゴーストランドサバイバルガイド

れでぃーすえんじぇんとぅるめん、龍斬のお時間です。今回はあの世の歩き方をざっくりお話していきたいと思います。見える人は心構えとして、見えない人はそんな世界もあるのかーくらいに思って読んでください。行くぞヒヨッコ共!

まず大事なことを三つ!信じるな!頼るな!期待するな!以上!

あっ閉じないで閉じないで。これガチですから。なんだって?あの世はどこのポストアポカリプスだ?ちげえよ野生の世界だよ。というわけで本気で言ってます。前々から言ってますが。まあメガテンみたいな世界だと思ってください。

まずこんな事を言う理由として、あの世は無秩序ではありませんがおおむね法秩序というものが存在しません。当然ですが人権とかもありません。なんでそんなことになってるかというとまとまった権力が存在しないから。法律なんてものは守らせるためには権力すなわち暴力装置、暴力の集団運用が必要不可欠です。国は国民の命を握りつぶせるだけのパワーを持ってるから国民の命を守れるのです。

対してあの世にはこの世のような大人数の強者の集団はありません。しかも各個人の戦闘能力の差、生活スタイルや思想の差、何より見た目の差はとんでもなく幅広いのです。人類は強者でないのかというと一部を除けば割と弱い方になります。そんな世界でみんなが纏まって生活出来ると思いますか?もちろん、小規模なコミュニティはあります。神様なんかは神族としてそれなりに兵力を持ちますがそれでも広大なあの世の全てにそれぞれ権力が行き渡るような事はありません。自分の神界を維持するのでだいたい手一杯です。他に割と能力が平均的な、死者の霊達の集まっているところ、いわゆる死後に当たる地域もある程度纏まりますが、これは思想にあまりばらつきがないので纏まっているという緩い紐帯にすぎません。ひとたび強い奴がなんとなく暴れればひっくり返る脆い秩序です。暴力こそが正義!良い時代になったな……と思わない人は関わらない方がいいです。マジで。関わってしまった人は修行して力を身につけるか怯えて暮らすかしなければいけないのです。北斗の拳よろしく強い奴がお山の大将やってる地域ではその大将の趣味に応じた秩序が敷かれたりしますが、これは現代人の感覚からすると無秩序に近いでしょう。

で、そんなワイルドな世界ですから、弱い者も生きるためには騙し騙され、奪い奪われ、殺し殺され必死に足掻いています。注意しなければいけないのはほとんどの人間はあの世と関わった時点では弱い者の部類に入るという事です。弱者が信じたり頼りあったりしてはいけないのか?生きていきたいならしてはいけません。手を取り合って進めるのは力が平均的な世界においてです。所詮この世における人間は誰だって鉄アレイで頭殴られりゃ死にます。だからこそ人間はお互いがお互いの脅威たり得るわけで、アリと象の様に戦力差があればそんな無茶なこと言えないのは想像できると思います。

てなわけでそこらにいる奴を軽々しく信じてはいけませんし頼ってもいけませんし、ましてふらふら歩いてるようなのに期待なんてしてはいけません。というか構うな。

じゃあ何を信じ頼り期待するべきか、というと日本においては神社の神様とかそういうものでしょう。出自がはっきりしており、何より強い。寄らば大樹の陰です。え?神とか見えない?じゃあ誰かに頼るのは諦めよう。鍛えろ!独りで!!自分自身のために!!!

というのはいいとして、あの世では力を持つ者たちはおおむね信用に足ります。なぜなら嘘を付く必要もなく意見を押し通せるからです。性質として嘘を付くやつもいますがそういうのは除外するとして鬱屈したり収奪する必要がないからです。その上で神社の神様、日本神話の神は基盤となる土地が勿論日本なので生活の安定感が違うようです。余裕があるから人に優しくできる、というのは人も神も変わりません。そのため外来の神はちょっと信頼性が落ちます。仏はどうなのかというとあんまり頼りになりません。余裕の塊ですが自力で何とかしろというのが基本な方々なので。どうしようも無くなったときは仏は決して見放しませんが。

生き残る手段として最初はそうした神の庇護に縋るのも妥当だと思います。ですが雛はいつか巣立たなくてはいけません。鍛えましょう。そしていつか師を越えることで恩を返してあげてください。こうした道を取らず、安穏と生きるのはあの世に踏み込んでしまった以上ほぼ不可能です。餌にされたり心を弄られたりせずに生きるには強くあるしかないです。ではみなさん、やっていきましょう。

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