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2020年10月の日記

10月*日
京都出張2泊目の朝、早めの新幹線で渋谷に向かわねばならないのだが、何が当たったのか早朝から強烈な腹痛。トイレで痛すぎて失神した。「さすがにこの痛みが続いたら、死んだ方が楽だと思ってしまうなあ」などと、どうでもいいことを考えながらひたすら耐える。昼頃にようやく一呼吸。おかげで打合せには出られず。昨晩は串揚げ10本と明石焼とビール。間食はなし。一体原因は何だろうか。

10月*日(F.B.より転載)
母が8月に亡くなり、先日四十九日を終えた。それは悲しい出来事だったが、私にとっての一番の気がかりは、その影響を父が受け過ぎて塞ぎ込むことだった。父をよく知る人からすれば「あの元気モノが、あり得ない」と言ってくださるだろうが、とても仲のいい夫婦だったので、何が起こるかは分からない。
というわけで、父のホームページを作ることにした。父の現在進行中の仕事をまとめ、著作などで父に興味を持ってくれた人の次のアクションを提案し、全国で父のワークショップを主宰している人たちのネットワークを作る。これまで個々人が点で支えていたものを、線にし、神輿にし、塞ぎ込む暇もないほど、働きまくってもらおうという作戦である。さらにホームページ上で、ほぼ毎週更新のコラムも始めてもらうことになった。
息子流の、転ばぬ先の杖、完成です。
https://www.shiro-san.com/

10月*日
27日に行う保育博の事前イベントとして開催されるウェビナーの打合せで、進行をしてくれる元アナウンサーのA野さんと会った。最初は単独講演を頼まれたが、これまで色々やってきて思うのは、一人語りよりも自分は対話の方が生きるタイプだということ。講演だと自分の了解事項が語りの中心となってしまう。一方対話であれば、思考の森に出かけ、沼にはまっても大丈夫。相手がガイドしてくれるし、自分の場合は実践者なので、その沼トークが面白いと思うのだ。

10月*日
舞鶴でカフェを運営する小さな広場のシェフ職に応募してきてくれたT川さんとweb面談。「自分にとって幸せとは」という話を色々と聞かせてもらった。どうなりたいか、何がしたいかは、もちろん大切。ただ、ぼくは「どんな状態にあることが幸せだと思うか」もよく聞く。その状況を担保してあげられれば、人は自然と成長していくからだ。幸せでないと、好奇心は働かず、挑戦的行動が生まれない。

10月*日
立て続けにアソブロックのT岡、K林と面談。最近面談機会が多い。二人とも、自己評価と他者評価に乖離が出がちなタイプだと思う。それは自己理解が浅いからだが、そういう相手に「もっと内省せよ」とアドバイスしても、何も生まないのが常。なぜなら、本人は十分に内省しているからだ。これも乖離の一種。そのことを理解した上で、面談で色々と話した。

10月*日
打合せで西多摩郡にある幼稚園を訪問した。園長と色々と話す。西多摩郡はもともとコロナ患者が少なく(訪問時で4人)、総合的に検討した結果、園長の判断で子どもも先生もマスクをせず教育活動を続けていた。それが不安な保護者は「登園を控えてほしい」というメッセージを出した。ところが先日、先生の一人が、喘息をこじらせ病院に行った結果「一応…」とPCR検査を受けることになった。本人には陰性の確信があるが、理由はどうあれ保護者には伝えねばならない。同時に役場からも連絡があり、万一の場合の話を聞くと「マスクをせずに活動していたということであれば、全園児と全職員が濃厚接触者になります」と知らされたそうだ。現在東京の会社は、身内に濃厚接触者が出れば出社停止措置になるケースも多い。そんな事情もあり、保護者がソワソワし始め、「いつ結果が出るのか?」「結果はどうだったか?」の問い合わせ電話が相次いだそうだ。「全員が濃厚接触者になるなんて、それは影響が大きすぎるから問題よね…」ということで、園では先週から全員マスクをするようになったそうだ。

10月*日
姫路出張。新しいお堂を建てるプロジェクトのメンバーとみっちり話した帰り道。小さな広場の同僚、O滝さんと「GO TO商店街」キャンペーンについて雑談した。商店街の自主企画で最大300万円、地域づくりの会社を巻き込めば最大1,100万円の公的資金が流れるキャンペーン。彼の元にも、これ関係の相談・依頼があるそうなのだが、一方で、コロナ前から死に体の商店街に公平の原則でばら撒くのはどうなのか、というのがテーマ。その話をしながら、長年支援を続けるフォスター・プランの話を思い出した。フォスター・プランは経済的支援が必要な国の子どもの経済的里親になる支援が中心だが、私も今の子が3人目の支援者になる。毎月の支払いは少額だが、それでも何らかの力にはなっているようで、手紙のやり取りもしている。フォスター・プランのポリシーは、「明日の食うに困る人たちに食料のバラマキをするのではなく、中産階級の子どもたちの教育支援をし、国の支える人材を育てる」というもの。中国の故事に倣えば「魚を配るのではなく、魚の獲り方を教える」ということになり、この考えに大いに賛同した。同じ構図で、街の商店街の未来を考えるなら、本当は予算の重点配分をして、成功モデルを導き出すことなのだが、国の予算執行はそうもいかない。もちろん、死に体から復活しないとも言い切れない。だが現実は、この予算を使い、誰も行かない商店街のホームページがやたらと綺麗になったり、シャッター街のパンフレットができたり、一日だけ盛り上がるタレントイベントが開催されたり、そのようなことが全国各地で起こり、委託会社だけが多少儲かって、商店街は元のさびれた姿を続けるのが関の山だろう。自立支援というのは、難しい。

10月*日
浅草に新しくできるジュースとジェラートのお店の店舗設計やブランディングを手伝っている。オーナーに連れられて、担当デザイナーのM屋、インターンのS崎と一緒に、契約したての空っぽのお店を見に行った。広くはない。場所も良いとは言えない。でも、「ここからはじまる夢」感が半端なくあって、こういう感情と出会うのは久しぶりだなと思った。こういう気持ちと出会える場所を、自分の人生にどう組み入れていくか。若い頃は入れ食いのそれが、40を超えると創造の対象になる。ある意味、人生の面白さであり、奥深さだと思う。

10月*日
お台場にあるZepp Divercity Tokyoに「ゆるめるモ!」のライブを見に行った。本来は3月に開催予定だったライブ。延期に延期を重ね、今日になった。メンバーの一人「ようなぴ」の引退ライブなので赤字でもやりたいと、N木はじめ、皆が調整に動いた結果だった。開催にGOを伝えた身として、自身の目で見ておかなければと思った。マスクにフェイスガード必須。友達と来ていても会話は原則禁止。掛け声なんて、とんでもない。チケットは自分でもぎって、ドリンクはペットボトルを勝手に持っていくスタイル。二席飛ばしの配置。もちろん大赤字。それでも、そこで流れた時間は、とても良いものだった。

10月*日
長年の友人で、幼稚園や保育園の経営コンサルをしているI田くんのオフィスを訪問。2時間半ほど、業界について、あれこれと雑談した。毎日園長の悩みに耳を傾ける彼の話は、常にアップデートされていてとても面白い。こちらも雑談相手として面白がられる状況を続けないと、この場はなくなるという危機感も良かった。

10月*日
新体制になったアソブロック第十九期、1回目の経営会議。十八期までと違い、経営会議も全員参加とした。会議を越境学習の場とし、それぞれのチャレンジや興味関心を話し合う場としてファシリテートしたかったが、思うようにいかず。10名を超える参加者なので人数が多すぎるというハンディはあるが、次回、枠組みを変えて意義深い場づくりに再挑戦だ。

10月*日
保育博の事前イベントとして開催するウェビナー当日。聞き役は、元アナウンサーのA野さん。100名を超える参加者に、最近調査を進めている「幼保業界ではたらく人の幸せ/不幸せ調査」の中間報告と傾向分析を中心に話した。興味を持ってもらえたようで、終了後2園の園長から、調査への参加希望の連絡があった。聞き直すと、A野さんの語りが流暢。無駄な言葉がない。一方私は、無駄だらけ。

10月*日
趣味で地方競馬に馬を何人かで持っている。ぼくは、これについてはフォロワー的立場なので、主になって動いてくれる方から報告を受ける。その愛馬が、今日、結局一回も勝てることなく引退することになった。怪我が原因だ。ただ、怪我をした過程に疑念があり、お世話になっていた調教師とやや揉めている。一歩引いて状況を見ている立場で思うのは、競馬サークルの人たち誰もが一生懸命ではないようだということと、人付き合いが大きな意味を成す世界だということ。それを知れるだけでも、面白い。

10月*日
遂に身近な園長の園の保護者に、新型コロナウイルス患者が出た。親しい園長たちと、共有グループを作っていて、そこに随時、状況が報告される。情報提供の範囲、順番、伝え方、事前にシミュレーションしていたことが生きている。その情報をキャッチアップした他園の園長たちが、自園の準備をさらにアップデートしている。