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2021年4月の日記

4月*日
お酒は嫌いじゃないし、飲み会にも抵抗はない。けれど二次会はどうも不得意だ。一次会で思い切りしゃべってスパッと帰るのが個人的には気持ちいい。
先日、若手メンバーから「**さんは飲みに誘ってくれるから嬉しいのだが最低でも3次会。4次会になることも多いのがキツイ」という話を聞いた。「いまどきの若手は飲み会に行きたがらない」という話を聞くこともあるが、少なくともぼくの周りではそんな風に感じることは少ない。飲み会クイーンを自称する20代もいる。
要は切り上げタイミングの不一致なのだなと思った。そこで、飲みにケーションTYPEというのを自己申請し、メンバーで共有する仕組みを提案することにした。【no thank youタイプ】【1次会終了タイプ】【2次会までタイプ】【とことんタイプ】の4段階。誘う方も、事前にTYPEが分かっていれば、変な気兼ねがいらない。なかなかいいアイデアだと思うのだけれど、さてどうだろう。

4月*日
8月に亡くなった母の相続手続きをそろそろやらなければいけない、ということで父と出生からの戸籍を集める旅に出た。亡くなった時点での本籍地、大津を皮切りに、宇治市、京都市東山区、福知山市、京都市下京区とさかのぼる。地図上に経由地をポイントしてみると、この範囲に母の暮らしはあったのだなと思う。
レンタカーを借りた旅は順調に進み、10時間ほどで収集は完了。郵送でも手続きできるのだけれど、色々と用意が面倒なので、1日で回れるのなら行った方が早いという判断は正解だった。デジタル情報で管理され、マイナンバー化も進む中、彼の地に行かねば取得できないという非合理な仕組みに「?」は尽きないが、役所の窓口担当者が、我々が愚痴るより先に「ほんとに非合理ですよね、お疲れ様です!」と嘆き、共感し、労わるという戦術でクレームが出ないようにしているのが笑えた。
戸籍や住民票、印鑑証明などを取得する際には申請用紙を書かねばならず、その用紙がたくさん並べてあるのだが、京都のとある区役所では、どの用紙よりも多く「離婚届」が積まれているのにも笑った。

4月*日
先月から時々触れているsalviaの著作権侵害問題に進捗があった。弁護士を介した話し合いが進み、落としどころが見えてきた。もちろん、正面切って「著作権侵害しました」とは言ってくれないのだけれど、「似ている」ことを認め、「salviaが先に発表していた」ため、顧客の混乱を避けるべく「販売を中止する」ことに同意してくれるそうだ。合意書を交わすまで、まだまだ気を許すわけにはいかないけれど、大揉めにならなさそうなのは、何より。骨を折ってくれている弁護士に感謝である。

4月*日
舞鶴でカンマの運営会議。その後、入社後、歓迎会ができていなかった新しいシェフ・T川を囲んで小さな食事会をした。いわゆるコロナ会食だ。そして夜はサイカアンというゲストハウスに泊まるのが最近の定番コース。それにしても、コロナの影響で京都駅から舞鶴方面への特急電車の減便が激しい。各停の本数はそのままなのだけれど、乗り継ぎで行くと2時間半以上かかる。だからぜったい特急に乗りたいのだが、13時台、14時台が運転を取りやめており、12時台を逃すと次は15:25になる。舞鶴の孤島化が進んでいる。

4月*日
5月8日に予定していた「家族理解ワークショップ」の会場・東京国際フォーラムの担当者から電話があった。去年も同じタイミングで緊急事態宣言により会場利用ができず中止になったので、「またか。残念だけど仕方ないな」と思って応答したら、
「団さま、緊急事態宣言が出てしまいまして……。勉強会ですが、受講者を入れない形であれば開催していただけます。いかがいたしましょう?」と聞かれた。
「あ、これ、USJが大阪市からの指示を受け、【理解に苦しむ】と言っていたアレだ」と思う。勉強会で生徒がいなければ、先生の独り言じゃないか! まあでも、そのように案内するしかない立場も大変な仕事だなあと同情しながら「キャンセルします」と伝えて切った。

4月*日
アソブロックに新卒でフリーライターをはじめて2年目という女性からの求人応募があった。自身に近しい経歴なだけに、少し興味がわいて「会ってみようかな」なんて話をしたら、「全然いいと思うんですけど、新卒でフリーライターになる経歴は今日的には全然珍しくないというか、何なら増える一方のキャリアなので、そこに物珍しさを感じての興味なら、一応伝えておきますね」と言われた。そうなのか…、知らなかった!
自分なりに周辺事情をキャッチアップしているつもりだけれど、当然知らないことの方が多い。25年前「そんなの無理に決まっている」「そもそもフリーライターとは…」と御託を並べられまくった過去の自分に耳打ちしてやりたい。「四半世紀も過ぎれば、その生き方、普通になるらしいぞ」と。

4月*日
少額ながら支援をしている「パレスチナ子どものキャンペーン」が主催する「第7回オンライン報告会【コロナ禍における母子保健支援(パレスチナ・ガザ)】に長男中2と参加した。主にガザ地区の母子支援をしている同会の担当者から、コロナ禍の状況も踏まえた支援現状レポートの後、質問に答える形で参加者との交流があった。
長男に「ガザ地区は青空が見える刑務所とも呼ばれているのだよと」と話すと「進撃の巨人じゃん!」と、年相応ならしい反応。会の終了後、今、ここで、このように暮らせているのは、偶然の賜物でしかないということと、このような不平等を解消するために勉強をするのだよ、ということを息子に伝えられたのでよかった。