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心に友を留める

おはようございます。

社会福祉士×ダウン症児パパのTadaです。
Tadaのイントネーションは、佐賀と一緒です。


※本日の記事はすごく私的なものです。

この世界から旅立った友を忘れないために、
昨日行ったお通夜のことを中心に書きます。

自分の中では気付きや学びもあったので、そこらへんも書きますが、基本はそれらも含め心に友を留めるための記事です。


朝、久しぶりに地元の友からメッセージが届いた。中学からずっと何かあれば連絡取りあってる僕含め4人のグループLINE。

普段やりとりするのは、月に1回あるかどうか。
みんな家庭もあるし、仕事もあって日々あっという間に過ぎていく40代の男たちのグループLINEとしては比較的機能している方ではないだろうか。
内容は誕生日を祝ったり、近況報告したり、それもまたたわいもないやりとり。

だけどこの日は違った。

「おはよ。〇〇が亡くなったっち連絡きました。まじ急でビックリしてショックなんやけど。」

からはじまり、その下には通夜のお知らせ。

日常が急に非日常に変わる。
当たり前のように座っている職場の席はどうやら普段はぼんやり見えているようだ。
この時はすべてのものがいつもよりはっきりと見える気がした。

グループLINEにいる4人でしばらくやりとりが続く。

とりあえず僕含め3人は通夜に行けそうだということになり、合流を打ち合わせた。

何も知らずに現地に入りたくないと思った僕は、連絡をくれた友に、情報の出どころを尋ねた。

出どころは同じく地元の同級生。
とはいえ僕はもう20年弱連絡をとってすらない。連絡をくれた友とは中学の部活が一緒でそこは仲が良いようだ。

中学の部活を共にした友は今もそれなりに結束されている感じがする。

事実、通夜に集まったメンバーは基本部活単位で固まっていた。

僕のいるグループLINEだけ少し異質かもしれない。4人それぞれ部活は違った。ただ、実家が近所だったのは大きいかもしれない。

他の3人は運動部で僕は美術部。
中学時代、僕の学年で美術部だった男子は僕ひとりだった。

なので共に汗を流した男友達というものはいない。どこか異質。誰とも馴染んでいるけれど、その実誰とも馴染んでいなかったのかもしれない。

そういえば昨日最期の別れをしたアイツもそうだった。

何にも属していないような一匹狼的存在。

だけど圧倒的な存在感でみんなの人気者だった。

中1の頃、絶望的に頭が悪く、中間テストも下から何番目とかいう位置にいたアイツは、PCとエロに出会ったとこから爆発的に頭が良くなった。

お互いどこかフリーランスな中学生だった僕とアイツ。

オタクで空手家の僕と
オタクで筋肉質なアイツは
よくウチでオタク談義とTVゲームに興じていた。

時々晩ごはん食べて帰ってた。
あ、母にも報告しなきゃだな。
きっと悲しむな。

それくらいだった。
僕とアイツの関係はそれくらいだった。

お互いに別々に仲のいい友達もいたし、
いつも一緒にいたわけではない。

中学卒業以降は別々の道に進んだ。
最後にあったのはいつだろう?成人式?地元の同窓会?そんな記憶すらないしSNSでも見かけないからやりとりもない。

それでもアイツは僕の青春の一部だ。

こんな風に書いていても
その記憶が明確な自信はない。
むしろ曖昧に感じている。

地元の誰かがこれ読んで
「違うだろ!」
ってところあったら遠慮なくどうぞ。

通夜にはそれなりに遠くに散らばっているであろう地元の男友達がたくさん集まった。そう、男友達から特に絶大に人気があったのだ。

帝王

と呼ばれるくらいに。

望まない形での同窓会だった。
きっとみんな同じ気持ちだろう。
何かきっかけがないと早々地元のメンバーが集まることなんてないのはわかってるけど、こんな形で集まることになるとは思いもしなかった。

多分15〜20年ぶりにあう帝王は
昔と変わらないキレイな顔で起きることのない眠りについていた。

「変わらないね」

と一緒に参列した友と話した。

死因は、くも膜下出血。

通夜でお経をあげてくれたお坊さんが話してくれた。

年明けに実家に行って
お母さんと年末年始の話をしたこと。

久しぶりに家族が集まれた、
アイツは友達と飲んで楽しんだらしい。

そして2月5日
お母さんからお坊さんに電話が入る。
亡くなったと。

続けてお坊さんが言う。

誰がいつこうなるかなんてわからない。
「自分だけは違う」とみんなどこかで思っている。でも絶対そんなことはない。

確かにそうだ。

最後にお坊さんが言った。
人はみんな誰かに生かされて生きている。そのことを忘れずに毎日を生きていって欲しいと。

喪主はお父さん。
喪主の挨拶。

「悔しい」

と涙ぐみながら話していたことが目に焼き付いている。

頭をよぎったのは父と母、そして息子。
両方の視点から捉えていた。

僕が先だった時の父と母
息子が先だった時の僕

どちらも胸が張り裂けそうなほどに辛い。

人は致死率100%。
いつか終わりはくるけれど
それがいつなのかなんて誰にもわからない。

通夜から帰って、
息子を寝かしつけたあと妻と今日の出来事を話した。

すると妻はこう言った。

終わりを想像するのはとても怖いことだけど
終わりを想像した方が今を大切に生きられる気がする

確かにそうだ。
お坊さんの話と同じくらい納得した。

できればもっと長く生きたい
できればもっと妻と子と家族と一緒に過ごしたい。
いつかそれは終わることだろうけど
その日がやってくるまでは

大切に一日一日を生きていきたい。

とかそんなこと言いながらね
人間は忘却の生き物
そして僕は忘却の王だから

きっとこんな気持ちもすぐ忘れてしまう。

だからこうやって残しておこうと思った。

そしてこの記事を読むたびにアイツのことも思い出せる。

これからも薄れゆくであろう記憶たちは何かを使って残しておこう。

今は“何か”が増えてきているからより残しやすい。

でもこんな記事を読むよりもきっとこれからもアイツを思い出すであろうものが昨日生まれた。

ブルーハーツの曲

夢、リンダリンダ、、、
あと何かかってたかな?

でも通夜の最中、お経の時間以外ずっと流れてた。やっぱ音楽の力は凄いな。

これからもきっとブルーハーツの曲を耳にするたびに昨日のことを、アイツのことを思い出すんだろうな。

楽しい曲、激しい曲、元気が出る曲、
その全てにきっとしょっぱさが少し乗っかる。

うん、それもいい。それもいいね。

おわり。

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