分厚くて面白い本を語る。
「どんな本が好きですか?」
あなたはその問いになんと答えるだろうか?
日常的に本を読む人がどんどん少なくなっている昨今、貴重な「本読み」である人は、一度はこの問いを投げかけられたことがあると思う。
推理小説をよく読みますね、ビジネス書が多いですね、エッセイが好きです…答えは千差万別、好みの数だけあると思うが、私はいつもこう答える。
「分厚くて面白い本が好きです!」
というのも、私が本を買うときの基準は大体、その本が分厚いか、である。平積みになっているとぱっと見では厚みがわからない。持ち上げてみて購入ラインの厚さであったら、めくって見れる場合は字の大きさを確かめる。小さいとおっ(喜)、と思うが、普通の大きさでもいい。
作家名で大体想像がつくこともあるが、後ろの解説を読んでみて、推理小説とかドラマであれば、大体は迷わず購入するだろう。
先日手に取ったものは「アクション小説の金字塔!」と銘打ってあり、出羽の山から下りてきた主人公が10人の殺し屋と戦う…という、あまり出会ったことのない内容だったので、それはレビューをググった。笑 (いまのところ面白いです。007を日本に持ちこんだ方が作者だとか)
本はやっぱり分厚いのが良い。重厚なのが良い。あっという間に読み終わってしまうのではつまらない。
ここで重要なのは、分厚くて面白いことである。もちろんそれぞれの好みだが、分厚くて面白くないのではちょっとつらい。ああ、あんなにページがあったのに、もうすぐ終わってしまう…と、悲しいのに読み進めずにはいられない。そんな時、私は大変な幸福を感じる。
というのも最近の本はみんな薄いと思う、のは私だけだろうか?もちろん薄くても素晴らしい本はあるけれど、なんせすぐ終わってしまう…。賞を受賞するような作品も、文庫にしてしまうと物足りない厚さのものが多い、ような気がする。
本を読む人が減るということは、ボリュームのある本が敬遠され、売れなくなっているということなのだろう。スナックみたいに、クリスピーでサクッと読める、あっさりとした本が最近のスタンダード。このまま本離れが進めば、分厚い本はいつか出版すらされなくなるかも。紙の値段も上がっていくだろうし。こちらの作品はキンドル版のみのご用意です。なんてことになったら、私はきっと心が餓死を起こすだろう。よく言われているように、やっぱり私も本は紙で読みたい…
悲しいかな資本主義社会、結局この世では「売れる」ものが正義、それはわかっているけれど、どうか「分厚い本好き」の国に暮らす人のことも思いやってほしいなあ。そう思いながら今日もまた、本屋をさすらう。用事もないのに本屋に行く、それもまた、本読みの生態である。
※このnoteを書いていたら、自分がいったい何センチぐらいで購入しようと思うのか気になってきたので、今度測ってみたいと思います。
ちなみに文中の小説はこちら