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二日酔いの女はよく食べる

二日酔いである。
スナップダイモンの翌日はたいてい使い物にならない。昨晩は銀座でたらふく飲んだあとにミニラーメンという暴挙に出たにもかわわらず、朝6時にはしっかりお腹が空いて目が覚めた。

出羽桜 三年熟成大古酒 枯山水。ほうほう、美味
手羽の山椒揚げ、美味しかったなぁ
香りよくお刺身によく合うおさけ

「お腹すいたね」と同じく目を覚ました夫に話しかけると間髪入れず「豚汁食べたい」と言う。「豚汁?そんなこと言われても材料が……あるぜ」。お正月料理に使った残りの大根ににんじん、里芋などちゃんと揃っているではないか。こんにゃくはないけど、まあいいか。

ということでおもむろに起き出して二日酔いの女の豚汁作り。
まずは里芋の皮を厚めに剥いてほどよい大きさに切ったら下茹で。大根とにんじんはいちょう切りに。ねぎは使い切ってしまったから玉ねぎも1/3くらいざくざく切る。あれ、しいたけもなかったか。豚バラ肉はこの間解凍したものが冷蔵庫のチルドケースにあったので多めに準備。二日酔いには甘い脂が効く。

ごま油で豚バラと根菜類をじゅわじゅわ炒めたら水を加えて沸騰したら12〜13分。あ、そうだ出汁パックを入れてなかったと気づいてポンと放り込む。そういえば豚汁には出汁は必要なかったかと入れてから気づくも、よしとしよう。家庭料理は寛容であるべし。
豚汁は味噌を半量先に入れて煮込んで良いのだったわと味噌の箱を手にして頭を抱える。二日酔いのためではない。明らかに味噌が足りないのだ。頭を抱えていてもどうにもならんので、二日酔いで回らない頭をなんとか一巡させると、年末に冷蔵庫を整理した際にキャンプ用に買った出汁入りの味噌があったことを思い出した。グッジョブ、私の脳味噌。
出汁のてんこもりになってしまったが気にしない。二日酔いには出汁が効く。

味噌を入れて煮ている間、愛用の山内本店の「まぼろしの味噌 米麦あわせ」を注文。基本となる調味料はあまり浮気はしないほうで、この味噌もおそらく3年ほど愛用している。まろやかで塩気もほどよく、美味。そして手頃なお値段(これ大事)。

愛用の、といえば10年以上使い続けていた出汁パックがどこにも見当たらない、と思ったら昨年の9月に残念ながら100年以上もの歴史を閉じ廃業したとのこと。山政さん、私の料理はあなたの出汁のおかげで支えられていました。今まで本当にお世話になりました。ありがとう。ねぇ、これからどうすればいいの。

そんなわけで出汁難民になったわけだが、いくつか試してみた結果、ひとまずこちらに落ち着いた次第。

椎茸入りのものは風味が強すぎてしまう傾向があるので、どうかしらと思ったけれどほどよく上品でちょっと愛らしい感じがするのはイワシのためか。うん、好み。マエカワさん、これからお世話になります。

そんなこんなしているうちに豚汁が煮上がったので追加の味噌を投入。ついでにたくさんあった生姜もすりおろして出来上がり。寝起きで鼻が詰まっていていまいち分からんが、きっと美味しいはず。

よく膨れたもちはもちもち

ということで朝ごはんは豚汁と正月の残りの餅。食べたらまた眠気が襲ってきたので小花さんと一緒に二度寝。2時間ほどしてまたお腹が空いて目覚めると起き上がれない。どうしたことか、と左を向くと小花さんがしっかり私の二の腕をつかんで熟睡している。起こしたくはなかったが、私は腹が減っているのだ。「お昼も豚汁」とうきうきしている夫を無視して大きな鍋にたっぷりの水を入れて沸かす。私はパスタが食べたいのだ。

なぜなら夢の中でパスタを作っていたが、作っても作っても鍋の中でどんどん麺が減ってしまいいつまでも食べられない。この飢餓感は実際にパスタを食べねば解消されぬ。

食べても食べても腹が減る。二日酔いのせいなのか、体調的なものか、それとも単なる食いしん坊なだけなのか。いずれもしても今日は使い物にならんのでいくつかメールを返したらまた寝よう。

今日の私はヨレッヨレ!


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