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またどこかで会いましょう

 窓を閉めたまま寝て、起きたら空気がこもっていた。窓を開けると涼しい風が一気に入り込んで、気持ちがよかった。

 髪を切りに行く前に洗濯をして、カレーを食べた。化粧をして、美容室に行く。風は涼しいが、歩くと少し暑さを感じた。

 美容師さんは細かいことは言わずとも、すべて伝わっているかのように黙々と美しい形に仕上げてくれた。無駄な話をしない人なので、ものすごく信頼している。マスクをしたまま髪の毛を切ってもらったのは初めてだったが、それなりに入ってくる。しかし今の事情では仕方がないのだ。

 家に帰る前に100円ショップに寄った。いくつかの必要なものを買っていたら、黒猫のフィギュアが入っている入浴剤を見つけて、思わず手に取ってしまった。こういうかわいいのに弱いのだ。

 家について、風呂と夕飯のお米の準備をしていたら、美しい人が一人この世を去ったという。恋人とともに言葉を失ってしまった。

 風呂で入浴剤を溶かす。目の大きな黒猫がぷっかりと風呂に浮いてきた。大変にかわいらしいので、パソコンデスクのよく見えるところに置いた。

 あしたは自転車を実家に取りに行く予定だったが、父親が軽トラに乗せて持ってきてくれた。高校と大学の卒業アルバムやら楽譜やら、実家に置いていたものとともに。父も電話口の母も元気そうでよかった。

 高校のアルバムを恋人が勝手に見ていたが、わたしは高校の記憶がほぼないので、聞かれても答えられないことが多々あった。本当に高校が嫌いなんだね……ひねくれてるね……と言われたが、ないものはないし嫌いなものは嫌いなのだ。

 あしたは自転車のメンテナンスをして、元気があればそのまま自転車に乗って少し遠出をしようと思う。せっかく天気もいいことだし、外で元気に動くのだ。

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