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富岡多恵子『表現の風景』

富岡多恵子さんの訃報のニュースがありました。
僕は20代の頃、富岡多恵子さんの『表現の風景』という随筆にかなり影響を受けました。ある意味、縛りを与えられた、というか呪われた気もしますが、今もずっと大切な本です。

「なるほど好き」の「なるほど止まり」な日本の大衆を厳しく論じていた本書は、今でも一定の読者にブッ刺さると思います。

Twitterのいいね数を稼ぐ文化、扇動ツイートに乗せられやすい人と距離をとってしまうのもこの本の影響です。

映画の『解釈』文化を、なんだか底が浅いと感じてしまうのもこの本の呪いです。本当は『解釈』遊びに興じたい気持ちはオタクとしてあるんですが、やはり、『解釈』を『批評』とか『評論』の顔してやってる人がいる限り、富岡多恵子さんの呪術は僕を縛るのです。あと蓮實重彦の呪いというのも僕を縛っています。
でもその縛りは知的で頼もしくもあるんです。

ちなみに、他には短編小説集『遠い空』と、映画『心中天網島』が忘れられません。

ご冥福をお祈りします。合掌。


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