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ふぞろいにもなれない人間

ふぞろいなものを恐れている

不揃いなじゃがいも
不揃いなにんじん
不揃いのりんごは
味も何も変わらないのに
不当に安い値段で買い叩かれる

基準よりも

大きすぎる
小さすぎる
細すぎる
長すぎる
曲がりすぎる
濃すぎる
薄すぎる

世の中に溢れる食品だけで
どれだけ基準からはみ出て捨てられる
野菜や果物があるかを考えたら

(どの口が人間の個性なんて言ってんだって感じ)

知らぬ間に
当たり前のように
選別されたそれらを買い、食べている

そして時々安い値段で
不揃いなそれらを買い叩く

じゃあ人間は?

元々人間なんてみんな不揃い


って最後のシメを考えたが
それは浅そうでやっぱり浅い

私たちもパッケージ化されたがっている
キズもなく真っ直ぐなナス
キズもなく真っ直ぐなきゅうり
キズもなく真っ直ぐな人間

そこに入れれば安心
私たちは枠の中に入りたがり
時々はみ出してみたくもなり
はみ出したものを馬鹿にしたり
はみ出したものと今度は肩を組もうとする

自分はどうだろうと考えたら

真っ当なナス3本で178円

バラ売り玉ねぎ38円

それとも
スーパーにすら辿り着けない?

たっぷり肥料を与えてもらって
日当たりも良好

でも長雨にうたれて
生育不良

野菜だったら捨ててもらえる

人間は?
根腐れしても生きていかないといけない
誰かに処分してもらうわけには


ふぞろいの人間たち

ふぞろいの私たち


ふぞろいにもなれない人間

『たち』を付けるかは
まだ決めかねている

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