街ごと攫った神隠し 歌詞
西陽と一緒に見降ろしたこの町に
巨大な影 落ちてゆく
閉塞感が募る また形だけ季節が変わる
終わる時に終わると気づけたなら
必然が入り込む余地も きっとあったのだろう
手繰り寄せた糸のその先に
ゴールがあるって信じたかった
誰かのスタートに過ぎなかったとしても
一つの答えには充分さ
ついたバツを数えて
一日が終わってゆく
満たされてたことに気付かず
溢れ こぼれ 空っぽになってゆく
これまでのアーカイブと明日と明後日を
この屋上で全部見渡せたらなぁ
時間だけが見えないまま
全てを燃やして
灰になった記憶を辿るほかないのさ
中途半端に 面影遺すから
また 期待感を匂わせている
いっそ全部攫ってしまえと
過疎の果ての学び舎が泣いている
当たり前じゃなくなることだけが
当たり前で
散り散りになること それだけが
繋がりの証左になってゆく
終わるも地獄 終わらぬも地獄の大業火
祝福も弔いも 焼き尽くしてゆく
鋼鉄の神隠しが 何もかもを攫って
テトラポットの亡霊は 答えちゃくれない
まずは声がわからなくなり
目や鼻や口がおぼろげになり
輪郭すらあやふやになればもう
会話の文面しか残らない
だから 僕が火をつけたんです
出来心なんて安いもんじゃない
満を持してこの時なんです
瓦礫の中から見つかる種が
やがて木となり新たな街になる
四半世紀もすれば誰かが ほら
懐かしき故郷と呼ぶのだろう
移ろいは僕の機微など識らず
時折りそれが無性にかなしい
いつの間にかついてたマルが
一番激しく燃え上がってた
昨日までのアーカイブと明日と明後日を
見たところで何も軽くならないのになぁ
僕たちの独白は随分遠回しに
せっかちなシンギュラリティを憂いてる