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雪のまち札幌

「大雪の大都市」と称される札幌。その通り、197万人の人口を抱える日本で4番目に人口が多い政令指定都市だ。横浜、大阪、名古屋に次ぐその人口を鑑みれば「大都市」と呼んで差し支えないだろう。

 では、本当に大雪の町なのだろうか?「雪国」といえば川端の小説のモデルにもなったと言われる新潟。そして同じく豪雪で知られる山形、青森、秋田や富山など、日本海側の重たく湿った雪が降る地方に比べれば、札幌の街中はカラリとしていて軟弱である。毎年テレビで蔵王エコーラインの中継を見て道民は「うへえ」と脱帽するほどだ。

 ここで、過去30年の札幌市の降雪量の平均値をみてみると、実は5メートル弱ほどにもなる。蔵王の9メートルには到底及ばないが、人口と降雪量の関係で見てみると、世界的にみても、人口150万人を超える都市で2メートル以上の積雪を記録しているのは札幌とカナダのモントリオールくらいである。しかも、モントリオールの平均降雪量は札幌市の半分以下の2メートル強。「大雪の大都市」はキャッチーに盛ったわけではなく、正々堂々たる単なる事実だったのだ。(10万人以上の都市だと積雪量は青森市が一位)

 そんな大雪の大都市、札幌に暮らす市民の皆さんが何を一番市政に要望しているかと言うと、「除雪に関すること」なのである。ほぼ40年間、札幌の市政への要望第一位の座に君臨しているというから、その切望度は深刻である。

 では、札幌は40年間市民の声を実現してこなかった意地悪な町なのだろうか?40年間も同じ問題を抱え続けるなんて、ちょっと問題解決能力低すぎやしないかと思うのである。この40年の札幌の雪対策の歴史を紐解いてみなくてはならない。

to be continued

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