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2024/06/19  日経新聞 朝刊 個人的厳選3トピックス

[1面] 農林中金、外債10兆円売却へ 損失確定
運用戦略を転換、今期最終赤字1.5兆円に

農林中央金庫は、外国債券の低利回りによる損失を確定し、リスクを減らすために10兆円以上の米欧債を売却する計画。2025年3月期の赤字は1兆5000億円に拡大する見通し。外国債券での損失処理を進めることで、経営改善を図る方針を示す。 農林中金は外国債券の売却により、市場リスクの縮小を目指し、代替投資先として株式や社債、企業向け融資などを検討。外国債券の含み損を減らし、再度の懸念材料を避けるために、資産を多様化する方針を明らかにする。 農林中金は外国債券の売却により、25年3月期の赤字が拡大する見通し。財務基盤強化のため資本増強を検討し、自己資本比率への影響を考慮している。リーマン危機時の赤字を上回る赤字規模となる見通し。 農林中金の行動が市場に与える影響についても懸念されており、外国債券の売却による潜在的なリスクや収支悪化が焦点となっている。経営改善を目指す奥和登理事長は、損失処理を進めることで将来の業績向上を期待している。

大手行貸出金、01年以降で伸び過去最高
5月末、前年同月比6.2%増 大企業の資金需要旺盛

大手企業の資金需要に伴い、大手銀行の貸出金残高が増加しており、全国銀行協会によると、大手5行の5月末の貸出金残高は前年比6.2%増加し、特殊要因を除くと2001年以降で最高の伸び率となった。都市銀行や地方銀行などの貸出金も拡大しており、大手5行の貸出金残高は233兆円と過去最高に達している。大企業では設備投資が活発化しており、製造業の設備投資額も過去最高に伸びている。また、ファンドによる大型M&Aが貸出金の増加に寄与している可能性もあり、金融機関は企業の借り入れニーズに対応している。金利上昇を見越して借り入れる企業も増加しており、金融機関も金利動向に応じた対応を取っている。業態別の伸び率では都銀と地銀で二極化が進んでおり、特に地銀は中小企業向けの貸出が鈍化傾向にある。大手行は自己資本利益率の向上に注力し、国内の貸し出しに重点を置いている。

新興国通貨、政治不安の影
メキシコペソ・インドルピー安値 選挙で一転、円高圧力も

新興国通貨が売られている理由は、メキシコペソが1年3カ月ぶりの安値、インドルピーも最安値圏で推移していることにある。大統領選挙や総選挙により、財政や政策運営に対する不安が高まっており、他の新興国通貨への影響や円高圧力も懸念されている。メキシコペソや南アランドなどの新興国通貨は日本の個人投資家にも人気があり、円キャリー取引で取引されている。メキシコペソの急落により円買い・ペソ売りが増加し、円相場にも影響が及んでいる。新興国の政治情勢に対する不安が続き、通貨安が進む可能性があるとされている。SMBC日興証券の平山広太チーフ新興国エコノミストは、政情不安が強まればキャピタルフライトの動きが出る可能性があり、通貨安が続き、材料が出た際に乱高下する可能性もあると述べている。

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