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少年

少年はいつも疲れてた。
少年には全てを自分のせいにする癖があった。
学校のテストの点数が伸びないのも、最近よく教科書がなくなることも、両親が別れたのも。
少年はとにかく全部自分のせいだと考えていた。
少年は何かを他人のせいにすることが楽なことも疲れることも知っていた。
こうする方が他人を好きでいられることも知っていた。
間接的に自分のことも好きでいられる気がしていた。
なのに、少年は少年が大嫌いだった。

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