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二次元やアイドルにハマりすぎる人はこれだった!回避性愛着障害とはいったい何?

最近よく耳にする、“回避性“という言葉。
色んなカテゴリーや種類分けがあり、分類も枝分かれしていて簡単ではないのですが
今回は岡田尊司さん著の“回避性愛着障害:絆が希薄な人たち“という本を読んだので自分なりにまとめてみました。

✔️人と深く接することが苦手だ
✔️二次元やアイドルにハマり過ぎる
✔️自分の人生に無関心だったり無気力さを感じる

など、思い当たる節のある人や、普段の生活や恋愛がうまくいかなかったり、違和感を感じているけどその正体がわからない人などに、ぜひ知ってもらいたいことがたくさんありました。


回避性愛着障害とは

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まずこの本の内容を理解する上で必要な、カテゴリー分けの説明をします。
分類としては以下のようになっています。

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安定型ー安定した愛着スタイルを持った人

不安定型不安型、回避型、恐れ・回避型にわかれる。どれにも当てはまらない未解決型も存在する。↓

不安型は、俗にいうメンヘラタイプで、不安が強くそれを表現することが多い。)
回避型は、情緒的なつながりを嫌う。愛着軽視型とも言われる。)
恐れ・回避型は、上記二つの複合型で、人に過剰に気を使い、誰にも心を許せないという特徴がある。)
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この本は基本的には、回避型、恐れ・回避型の話で

情緒的な繋がりが苦手だとか、過剰に気を使ったり、誰にも心を許せないということに覚えのある人は非常に多いのではないかと思います。

実際、私のところに恋愛相談に来てくれる人も、このタイプの人が多いと感じています。

これらの遺伝的要因は四分の一くらいで、あとは親との関係や周りの環境、過去のトラウマなどが原因となることが多いようです。

例えば、親から暴力や、無視、拒否などをされ続けていた人は、安全な場所という存在を知らないということになります。

過度の押し付けや、お節介な口出しが多いなどは主体性を損なう原因になります。

あと個人的にですが、スキンシップの不足や、愛情を伝える言葉や行動の不足も原因になるのではないかと思っています。

この回避性愛着障害というものの本質としては、不安が強いとか、消極的だということではなく、親密さに伴う持続的な責任を避ける点にあります。

なので、一方的に愛しても良いアイドルや二次元にハマる傾向が強かったり、モテている人でも一夜の関係ばかりを繰り返している人がいたりします。

(アイドルや二次元は飽きたら好きをやめても良いので責任がないし、一夜の関係なら長期的な責任からは逃れられます。)

一見、仕事も人間関係も良好のように思える人でも、恋愛となると話は別で、親密な関係になることから逃げてしまう人も多いようです。


回避の特徴と仕組み

ここからは、回避傾向の強い人の特徴や、心の仕組みについて紐解いていきます。

主体性のない性格

主体性のない性格だと感じる人や、自身でそう思っている人(自分の人生に無関心だとか)の特徴と心の仕組みは以下のようになっています。

↓普段から感情によってではなく、相手の意図を頭で考えて言葉にしているので、自分の気持ちをはっきり言うとか、気持ちを共有するということが難しい。(「じゃああなたはどう思っているの?」などと聞かれたら、間ができたり答えられなかったりする)

↓そうやって、自己開示や感情表現を抑えてきた結果、自分の気持ちや感情が曖昧になる。(そもそも自己開示や感情表現が苦手だった人が、頭で考えて発言することを、日常的に繰り返していった結果。)

本来の自分の感情が曖昧で分からないので、知られるのが恥ずかしかったり怖いという気持ちが強まる。

人と(感情的に)距離をとることで自分を守ろうとする。

これが意見を聞かれても答えられなかったり、自分がどうしたいのか分からないという主体性のない性格につながるということです。

セックスは愛着スタイルの影響を強く受ける

上記の主体性のない性格の原因を踏まえて、セックスという愛情表現のコミュニケーションの際の心の動きとしては

気持ちや感情の共有が恥ずかしいので、性的興奮や性的魅力に対して、素直に反応できない。

↓安定型の人のように察してリードしたり、自然に身を任せるということができない。(盛り上げないといけないとか頭で考えてことに及ぶ)

その結果、愛着の不安定な人は、相互的な信頼関係から得られる満足に乏しくなる。(一人の相手と信頼関係を結んでいった先にある、長期的な性的関係が理解できない。)

相手に感情的にならないように距離をとるので、相手の求めていることや反応に応えていくより、自己完結できる(SMなど)支配やコントロールに興味が向くということだと思います。(自己愛的な側面が強い行為)

二次元、アイドルなど距離感のある対象にハマる

ここでタイトルにもある二次元やアイドルなどといった“距離のある存在“にハマりすぎる人の心の動きとしては…

その人自身の自己愛的な偶像を愛する(対象の像を都合良く作り上げる)とういうのと

アニメキャラやアイドルなどの抽象化され、純化された存在を好む。(愛しても傷つかないため。)

本来向けるべき欲求を、距離感のある対象に向けることで、自分が傷付かずに満たされることができるということです。

・その他

自分の人生なのに、無気力で無関心で投げやり

めんどくさがりで現状維持を好む(行動しないことでリスクを避けている)

失敗に対する恐れが強く、チャンスから逃げる

など、私自身も思い当たる点、悩みに直結する内容が特徴として挙げられます。


安全基地の確立

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それでは、安定した愛着を持つためにはどうしたら良いのでしょうか。

自分1人では解決できることではないのかもしれませんが、愛着の安定化に必要なのは「安全基地」の存在だそうです。

本人が求めていることに応えながら、安定した関わり方をしてくれるだったり、自立を前提とした支え方をしてくれる安定した愛着を持った人との関わりが重要だということです。

(なので安全基地側の人は、物理的に問題をどうにかしようとするのは逆効果ですし、お節介な口出しとか、押し付けがましい親切、過剰な束縛などはもってのほかですよね。)

個人的には想像の中の“お母さん“とか“先生“とかのような、温かく見守ってくれるし、間違ったことをした時には厳しく叱ってくれる。

でも、信用して自由に何でも挑戦させてくれる、大きな愛という印象です。
肯定的に接してくれるとか、ちゃんと褒めてくれるというのも大切だと思います。


向き合うこと、気付くことの大切さ

では、回避傾向の強い人はどうすれば良いのか。
本人ができることは、向き合うことと気付くことの大切さを理解することです。

エクスポージャー(暴露療法)や、リフレーミング(視点の切り替え)という専門的な方法も挙げられていますが、

今ある不安なことを想像して味わってみたり、不安に向き合って色んな角度から考えてみたり、実際に不安に飛び込んで体験したりという、

受け身ではない「攻めの姿勢」で、状況をコントロールしやすくするということが安定につながります。

※SNSなどの情報通信依存も原因の一つで、文字のコミュニケーションではミラーシステム(共感や他者を理解する脳の仕組み)が働きにくく、物や数字を扱うように対人関係を処理してしまう。

筆者はこの本を「人を動かす最大の力とは、人とのつながりなのではないか」という言葉で締められています。

「攻めの姿勢」と聞くと、何だか苦手意識を持ってしまいますが
相性が良いと感じたり、居心地の悪く感じない相手というのは必ずいると思います。

そういう相手と素敵な関係を築いていくためにも、まずは自分と向き合うことを意識していくのが大事なのではないでしょうか。

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