「黒石」

記憶の彼方から呼んでいる

生きることの叶わなかった

その痕跡が

影の世界で蠢き出す

カルマが濃くなり

冥界から香りが立ち昇り

鼻の良い子供が

好奇心に惹かれるまま

揺ら揺らと跡を追う

子供は奈落に墜ちていく

子供は自由に笑い出し

そのまま底で遊び出し

混沌の踊りを踊れば

こわごわ大地は震え出す

踊る影は声を出し

子供は懐かしさに耳澄ます

丁寧に集め、握り締めれば

漆黒の宝石となり

子供のはなさぬ夢となる

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