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平和(たいらのどか)とお金の話〜ざっくりまとめ〜

*いろんな方の漫画や本を読んで自分なりに軽くまとめたものです。
*台本形式のssです。

〜キャラ紹介〜

○平和(たいらのどか)勉強を呼吸のように楽しんでは日々の移り変わりを詩にして日々を送る平和を愛する女性。ゆえに自分の平和を邪魔されるのが大嫌い。
○日和(ひより)平和と同じ学校に通ってる後輩。日和見主義なところが目立つ。
ケンカは怖い。ピリッとした雰囲気を感じ取ると涙目になる。
趣味は商店街巡りと食べ歩き
○リリィ・ベラトリックス。通称リベ子。オタクに理解のあるギャル。語尾に「〜っす」をつける。大家族の長女で大黒柱。バイトたくさん入れてる。
○保守(たもつまもる)お金持ちの坊ちゃんで苦労知らず。目立ちたがり屋なため、人気者な平和とリベ子が気に食わない。

お金の価値とは


平和「質問するわ。お金がどうして価値あるのか知っている?」
日和「うーん。確かにただの紙切れなのになんでだろ?」
平和「お金の価値の根本は【強制通用力】なのよ。日本なら円、アメリカならドル、EUならユーロとこのお金での支払いは拒絶できないの」
日和「つ、つまり?」
平和「通貨の正体は世界中の国家が与える数値化された力なの」
日和「発行元の信用どうこうじゃなくて!?」
平和「それもそうだけど、根本はそこなの。きっちり押さえてね」
日和「は、はい!」メモメモ

国の借金〜嘘か本当か〜


保守「平和! お前は日本国の借金がどれだけあるか知ってるか?」
平和「……」
保守「約1000兆円だ! つまり国民一人当たり900万の借金を背負っているも同然だ! って、話聞いてるのか?!」
平和「ああごめん耳タコフレーズがまさかあんたの口から出てくるとは思わなくて現実逃避してた」
平和「国の借金云々言うけど、それどこから?」
保守「ど、どこから?」
日和「言われてみると……日本が外国にお金貸りてるって話、聞いたことないかも」
平和「イエス。むしろ日本は海外に356兆円もの純資産があるの」
日和「超金持ち!」
日和「え、じゃあ、借金って無いんじゃ」
保守「違う! 国内に国債残高が積み上がっていると言う意味だ!」
平和「じゃあ、日本の国債通貨ってなに?」
保守「分かりきったことを! 円に決まってるだろ!」
平和「日本政府は「円」を発行できるのになんで「円」の借金を返さないの?」
保守「」
日和「保守さんが死んだ!」
平和「そもそも自分でお金を作れるならそのお金で借金を返せばいいじゃない」
保守「だ、だが! 国債を発行すればするほど供給が追いつかなくなりいずれはハイパーインフレに」
平和「ならないから。第一次世界大戦後のドイツや十数年前のジンバブエみたいにならないから」
日和「あの……ハイパーインフレって何%なんですか?」
平和「インフレ率130%」
日和「え……てことは、つまり、100円のコーラが一年で13000円になるってことですよね。生まれてこの方、そんなの見たことありませんけど……」
平和「うん。だから、全部嘘っぱち」
保守「だ、だが、金利が」
平和「2010年のギリシャみたく金利が10〜50%ならともかく、日本の金利は1%にも満たないわよ。それどころか下がり続けてるわ」
保守「」
日和「保守さんがまた死んだ!」
平和「金利がどうだの借金がああだのとくだらないこと心配する暇あるなら、国民の需要を伸ばすこと考えたら。地域振興とか防災事業とかインクルーシブ教育とかクリエイターの権利保護とか納税者権利憲章の法定化とかetc」
日和「納税者権利憲章?」
平和「分かりやすく言うと納税する人の権利を制度として保護しますよってこと。フランス、ドイツ、カナダ、イギリス、アメリカ、韓国、イタリア、スペイン、ニュージーランド、オーストラリアが法制化してるけど、日本だけはしてないの」
日和「え、ええ……」

消費税ってなに?!


平和「そもそも消費税がなんなのか分かってる?」
保守「買い物した時の原価の10%を俺たち消費者が払って、それを預かった事業者が消費者の代わりに政府に納めるものだろう」
平和「そこから大間違いしてるわ」
平和「消費税は【預かり金】でも【益税】でもない。事業者が付加価値にかかる税金を直接政府に支払う付加価値税よ」
日和「付加価値?」
平和「売上高から仕入れ原価、人件費と利益を引いたものよ」
平和「そもそも税の役割って何だと思う?」
??「はい!」
平和「どうぞリベ子」
リリィ・ベラトリックス「日本で円だけを流通させることで、税収は通貨回収=購買力を奪うことっす!」
日和「リベ子さん見た目ギャルだけど頭良いんだよな……」
保守「リベ子! お前、そいつの味方をするのか?! 普段は喧嘩をしてるくせに!」
日和「いや……それとコレは関係ないのでは」
リベ子「平和とは相性悪りぃけどあんたみたいな馬鹿と手繋ぐよりはマシね!」バチバチ
平和「右に同じく」ゴゴゴゴ
日和「(胃が痛い)そ、それで税の役割って結局なんですか?」
リベ子「役割は三つだよ! 1、経済の調整! 2、格差の是正! 3、特定の目的のために行動を制限する! ゆえに! 税は財源じゃない!」
保守「な?! だ、だが、消費税は社会保障を支える安定的な財源だと政治家は言って!」
平和「消費税は後で話すとして。まず国家が税収をするのは通貨を回収するという行為が大事だからよ」
日和「通貨の回収……?」
平和「例えばインフラ事業に政府が5000億支出したとして、同時に国民に1000億円の納税義務を課す。このとき、政府は赤字かしら? 黒字かしら?」
日和「……4000億円の赤字、ですね。でも、国民にとっては黒字です」
リベ子「これが普通っす」
保守「だ、だが、財政健全化が大事だとIMFは言ってるじゃないか!」
リベ子「それを守って政府の黒字を目指したアルゼンチンやギリシャは財政破綻したっすよ」
保守「」
日和「この人なぜ会話の文脈から読み取らないんだろ……」
平和「さて、こうやって税収の性質を上手く利用して経済を自動的に調整する仕組みを【ビルトインスタビライザー】っていうの」
リベ子「ビルトインスタビライザーの典型例は累進課税、所得が多いほど税金を多く支払うシステムっす」
日和「えーと、つまり税金には格差を減らしていく機能はあっても財源調達の機能はないと……あれ? じゃあ、なんで格差があるんだろ……」
平和・リベ子「消費税のせい」
日和(一言一句一音ブレなくハモった!)
平和「質問よ。消費税が導入されたのはいつかしら?」
保守「1989年だ。企業が海外に逃げてしまわないように法人税や所得税といった間接税の割合を減らす代わりに導入されたんだ」
日和「え? 社会保障と関係ないじゃん」
リベ子「んー、これが一概にそうとも言い切れないんすよ。消費税法第一条を見たら使い道が明記されてて、消費税は【社会保障の経費に充てるものとする】と書いてるっす」
日和「え? 結局どっちです?」
平和「結論から言うと消費税の使い道が社会保障に限定されてるのは大間違いよ。そもそも消費税は一般会計なのよ」
リベ子「一般会計は使い道が限定されてない政府の会計っす」
保守「いろんな税金が一緒くたになっていろんなことに使われてるのが一般会計だな」
平和「特別な目的、例えば社会保障とか福祉とかのために使われる会計を特別会計と呼ぶんだけど、消費税が社会保障のために使われるなら特別会計にして管理するべきなのよ」
リベ子「もっと言えば社会保障の財源はほとんどが社会保険料、国庫の税財源はごく一部っす」
保守「え……運用ザルすぎないか?」
平和「それでよく消費税は社会保障に使われてますなんてちゃんちゃらおかしいわ」
日和「え? じゃあ消費税ってなんのためにあるんですか?!」
リベ子「何の意味もないっす」
平和「そもそも消費税は富める者にも病む者にも等しくかかる税制よ。当然、収入が低い方が生活が苦しくなるわ。例えるならドウェイン・ジョンソンとサラリーマンが格闘したらどっちが勝つかしら?」
日和「ドウェインですね」
平和「そういうことよ。さらに言うなら消費税導入によって大企業の法人税が引き下げられてきたのよ」
日和「は……? つまりみんなから集めたお金で大金持ちが得してるんですか……? とんでもなく不公平です!」
平和「他にも致命的な問題があるのよ。消費税は事業者が政府に直接納める付加価値税だってさっき話したでしょう」
日和「あ、はい」
リベ子「保守くん質問っす。君が事業者ならまず何を考えるっす?」
保守「……節税、だな。付加価値が小さくなったら納める税金が少なくなる。けど、企業は当然利益を減らしたくない。そうすると……っ! リストラの誘因が企業にうまれるのか!」
平和「これが消費税の最悪なところよ」
平和「人件費を削りたい企業には賃上げのメリットがない。更に正規社員を雇うと人件費が増えるから企業は正規社員を削減したくなる。逆に非正規雇用やフリーランスの外注費は原価扱いするから企業はどんどん外注するようになる。こんなので賃金が上がるわけないわ」
日和「うっわぁ……ほんとにいい事何一つないじゃん」
日和「というか、税金なんていらないんじゃ」
リベ子「残念ながら無税国家なんて不可能っす」
平和「市場にお金が回り過ぎると貨幣の価値が無くなるのよ。デフレの間は消費税なんて要らないけど」
リベ子「デフレじゃなくても要らないっすけどね」


日和「結論としては……」

平和・リベ子・日和・保守「消費税は要らないね・っす・です・な」

平和・リベ子・日和「て、お前もか!」


インボイス〜それは地獄の沼〜


日和「あの……後3日でインボイス? が始まるみたいですけど、インボイスって、なんです、ヒィッ!」
平和「」ゴゴゴゴッ
日和「ゴ、ゴルゴになってる! 顔! せっかくの顔が台無しですよ! インボイスになにか不満があるんですか?!」
平和「不満通り越して怒りしかないわ」
日和「ゴルゴになるほどに!?」
平和「永久廃止してほしいわ」
日和「消費税のときは(一応)期間限定(デフレ脱却まで)だったのに!?」
日和「と、とにかく、インボイスについて教えてください!」
平和「ふー……そうね。まずインボイスについてどこまで知っているかしら」
日和「え、えっと、確か適格請求書と言って、請求書に企業の登録番号を記載して、事業者が税務署に課税事業者の登録を行う…‥。要するに請求書をきっちりするって話ですよ、ね……」
平和「」デデンデンデデンッ
日和「今度はターミネーター!? どこが地雷だったんですか!?」
平和「請求書をきっちりする? そんな次元の話じゃない!」木の枝ポキッ
日和「ど、どんな次元、ですか?」胃キリキリ
平和「大きな問題が沢山あるのよ」
平和「まず今まで消費税を払わなくて済んだ免税事業者、つまり年間売り上げ1000万以下の人たちは課税事業者にならないとインボイスが発行できないのよ」
日和「あの、年収1000万以下の事業者が免税されているのは生活を守るため、ですか?」
平和「ザッツライト! あとは事務負担への配慮ね。でも、それがインボイスによって無くなるの! 生活が脅かされるのよ!」
日和「え……てことは、消費税を払わずに済んだ事業者がこれから消費税を払わなきゃいけない羽目になるんですか? 月収一万円でも?」
平和「そういうことになるわ。でも、もっと酷いのはここからよ」
日和「こ、これ以上に、酷いことって!?」ビクビク
平和「【課税事業者にならざるを得ない状況】に追い込まれるの」
日和「え……」
平和「消費税は誰が納めるのかしら?」
日和「えっと、消費税は付加価値税で事業者が付加価値を直接政府に納めるものです」
平和「よく分かってるじゃない。保守とは大違いね」
保守「おい貴様! 人を馬鹿にするのも大概に」
平和「来てくれたから、消費税の納付計算を教えてちょうだい」
保守「ふっ、いいだろう! 納付する計算方法は、消費税額=売り上げの100/1−仕入れの100/1だ!」
平和「この差し引く計算を仕入額控除というの。これがインボイスによって出来なくなるの」
平和「たとえばここに年収百万円の小説家が出版社と取引をしたとしましょう。今はまだ仕入額控除ができるの。でも、インボイスが始まると仕入額控除にはインボイスが必要になる。取引先の課税事業者は仕入額控除が出来ないから消費税を多く納めないといけなくなるの」
日和「えええええ!?」
平和「取引先からすれば自分の負担が増えるのはイヤだから【課税事業者になれ】と迫ってくるでしょう。あるいは【免税事業者とは取引はしない】と言うかもしれない」
日和「選択肢無いも同然じゃないですか……」
リベ子「まあ、課税事業者になったところで消費税やら手取りやらなんやらで差っ引かれて、手元に残るお金は少なくなるけどね」
日和「リベ子さん! って、その手に持ってる釘バットはなに!? あとファッションもバッドガールだし!」
リベ子「ああ、うん。インボイスとかいう地獄みてえな制度が始まるかと思うと殺意が、ね」
日和「(あんたもかぁぁぁ!)あ、で、でも、免税事業者が出版社と張り合えるぐらい強かったからいいのでは?」
リベ子「そうなったら免税事業者の代わりに消費者が消費税分を負担することもあり得るだろうがよぉぉぉ!!」
日和「ひぃぃ! ごめんなさい!」
日和「というか……聞けば聞くほど誰も幸せにならない制度ですねインボイス」
平和「ちなみに発行事業者になると個人情報が公開されることになるわ」
日和「プライバシーどこいった!?」
保守「課税事業者になっても今のままでいても中小企業や小規模事業者や零細企業の収入が減って廃業者が増え、さらなる増税によって国民が苦しむことになるだろう」
リベ子「保守の言うとおり! 課税事業者になるのは任意と言いながら結局は身を切らざるを得ない選択を迫られる! どれを選んでもジ・エンドっす!」
平和「ちなみに年間売上1000万以下の事業者をざっと挙げると、俳優・カメラマン・脚本家・音響・アニメーター・小説家・漫画家・翻訳家・ライター・デザイナー・ITエンジニア・ミュージシャン・コンサートのライブスタッフ・スポーツトレーナー・インストラクター・ダンサー・ネイリスト・マッサージ師・一人親方・ウーバーイーツなどの配達パートナー・ヤクルトレディ・伝統工芸などの職人・酪農家・シルバー人材センターで働く高齢者・ピアノ教室や英会話教室などの個人で経営してる教室などなど……これだけの職業があるのよ」
日和「ひぇ……え? これだけの人たちが追い詰められるんですか?」
平和「そうよ」
日和「回りくどいこと言ってるけど、ようは弱い人から沢山お金をむしり取りたいだけなのでは?」
リベ子「そうっすよ」
日和「日本の99.7%って中小企業や零細企業ですよね……」
保守「日本経済の屋台骨と言っていいな」
日和「地獄の閻魔様もやらない鬼畜制度ですね……」フラァバタン
日和「ううう……もう期限が無いじゃないですか……どうやって止めたらいいの……」
平和「簡単よ。STOPインボイスのオンライン署名に署名し、知り合いやSNSに拡散する」
リベ子「もう一つは漫画とか小説とかにして広めること」
保守「大事なのは知ってもらうこと。消費税やインボイスの悪辣さを多くの人に認知してもらうこと」
日和「推しを、自分の生活を守る。そのために、私は、ここから、始めます。一から、いいえ……」

日和「ゼロから!」

みんなで止めよう! インボイス!

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