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陰と陽
『三連休作れるけどどうする?』
先輩からそう聞かれた時、
『そうだ!京都行こう!』
と思い、急いでじゃらんで宿を確保した。
職場の先輩たちからは、
「生八つ橋よろしく!」
「俺は茶団子で」
と、当然のごとくお土産を頼まれたので、スマホのメモに名前とみやげのリストを作り、旅の用意を済ませた。
出発当日は4時には起き、部屋にあるゴミ類は全て捨て、始発の新幹線に乗り、京都へ向かった。(もちろん1人)
車窓から流れる景色を2時間ほどずっと眺めていたため、少し首が痛くなりながらも、京都駅に到着。
久々に降り立った京都の空気はとにかく美味かった、気がする。久々にできた旅の喜びと、仕事から抜け出せた解放感がそう感じさせてくれたのかもしれない。
初日は、平安神宮をはじめとする左京区を中心に巡り。
2日目は、レンタサイクルでロードバイクを借り、僕が好きな京都を舞台にした小説に出ていたスポットを。
最終日は、清水寺付近と京都駅構内でお土産を買い、三日間の旅を終えた。
どの瞬間を切り取っても最高の思い出になったが、この旅の最中にふと思ったことがある。
『金閣寺と銀閣寺は陰と陽だ』
銀閣寺には銀砂灘、向月台、洗月泉といったものがある。
月は陰陽性質上では陰の部類だ。
銀も、金の対比としてあるため陰の部類だと考えている。
よって、銀閣寺は陰陽で考えると陰に入るといえる。
金閣が建立されたのは、優美で華やかな北山文化と呼ばれた時代。一方で、銀閣が建立されたのはわび・さびの東山文化の時代。
対照的な二つの時代に作られた建築物。それが現代まで残り、人々が訪れる地であるのは、我々が陰陽によって生かされているからだと思う。
金閣寺だけを訪れた人は、銀閣寺へ行きたくなり、
銀閣寺だけを訪れた人は、金閣寺へ行きたくなる。
この世は陰と陽でできている。
人は無意識に陰と陽を求めているのだ。
普通こんなことは考えないだろうが、旅先でテンションが上がりおかしくなった結果がこれだ。
でも、こんなことを考えてる時間がすごく楽しかったりする。
そして思った。
『また京都へ行こう』
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