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負けられない人 2015年02月04日

私の前にいた世界と引退後の世界で一番違うなと思った点は、別に自分が勝たなくてもいいという事だ。スポーツでは自分が勝つために、チームであってもチームが勝つために全てを費やす。自分以外は倒すべき相手だったから、マインドもそうなっていた。

ところが引退してしばらくしてみると、別に相手に勝たなくても結果として価値を生み出していればいいということに気がついた。敵チームと組んでもいいし、自分が主役ではなくてもいい。考えてみれば当たり前で自分に利益を持たらす人を私たちは優遇する。

スポーツの世界は派閥が多いと言われる。それは私にもなんとなくわかって、狭い世界で競争も激しいから、ほんのすこしの違いが許容できなくて敵を作ってしまう。無意識のうちに俺たちという言葉を使うが、その俺たちの範囲がくっきりしている。学閥とか、同じ競技をやってきたとか。

社会にも少なからずこういう人がいるように思う。最終的な大きな名誉より、目の前の相手や小さな集団で重要視されることを望む。チームを世界で勝たせることより、チーム内で一番になろうとする。総じてこういう人は中途半端に欲深い。本当に欲深ければ、もっとでかいものを欲しがるから小さな勝敗を気にする暇がなくなる。世界で一番が欲しいと思えばほとんどのことは些細な話だ。

世界一になろうとすれば時間とそれからその他の資源も足りなさすぎるからいちいち目の前の勝負にこだわっていられなくて、使えるものは何でも使っていくしかないという感覚が強くなる。視点の低さは害が多い。

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