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五輪開催時期と選手選考

オリンピックの日程がちょうど一年後に決まった。では、改めて五輪が開催できる条件を考えてみたい。コロナウイルスの影響で世界中が混乱し始めたのが2,3月それからあっという間に大変な状況になった。各国選手や協会が五輪の延期をIOCに求め、それに答える形で東京五輪の延期が決まった。

選手たちの主張はなんだったのか。一つは社会が大変な時に五輪はとてもできないだろうという倫理的なもの。もう一つは今練習ができている選手とそうではない選手で大きな差がある中で、このまま開催すれば不公平だというものだ。前者は言わずもがなだが、後者は選手に一定の猶予がなければならない。

選手が求める開催の条件は、世界中の選手が練習を再開できてフェアな状況になってから、一定の期間が必要ということだ。元選手の感覚から言えば8ヶ月は準備に欲しい。逆算すれば今年の12月あたりに選手が練習できる状況になっているかどうかが分岐点だろう。

だから私は来年の7月に開催できる可能性はまだ5割程度で、実際には更に一年または中止の可能性があると思っている。そうなると選手の代表権はそのままずっと引きずっていくのか。2年経てばかなり状況は変わる。本当に1年後に確実に決まったと思ている人は実はそんなに多くないのではないか。

この先、選考会が開けない恐れがあるから代表権は維持するべきだという意見があったが、その場合は五輪自体が中止か再延期になっているはずだ。世界中選考会が開けないならそもそも五輪は無理だし、日本だけ選考会ができてもできなくても、選手からの要望である不公平な状況は克服できない。選手の声を受けて延期にした時点で、とにかく五輪を開催できればいいというものではなくなっている。

だから、私は現在の選手の代表権は一旦停止し、様子を見るかまたは再選考をした方がいいと思っている。既に代表に決まった人の気持ちを考えると本当に辛いが、これからのスケジュールが全く読めない中では、結果としてそうしておいた方がどの選手にとってもいいことなのではないかと思う。

五輪の開催は日本の状況だけではなく、世界中のあらゆる国でコロナウイルスの影響を抑え込めるかにかかっている。それはもう誰にもわからないから、あらゆることに選択肢を残しておくべきで、実際にはあらゆることが想定できる中で確定したかのようにして選手を混乱させない方がいいと思っている。

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