イメージトレーニングを考察する
長文ファンの皆様おはようございます。
トレーニングで最も教えるのが難しいのは「イメージトレーニング」です。純粋に本人の主観体験であるためにアウトプットを確認することができないからです。トマスネーゲルが言うように体験は観察できません。
いや、MRIなどを撮って脳内の反応で測定する方法があるではないかと言われるかもしれません。しかしどの反応が良いかという基準を決める際に、結局イメージトレーニングが上手い(どうやってそれを知るの?)とされる人の主観報告に頼るしかありません。
その前提で良いイメージトレーニングとは何かというと、結局リアリティを生み出すことに尽きると思います。ただし、このリアリティはそのまま再現できるという写実能力ではありません。
「もしも腕が0.05秒早く動くと、おそらく足はこんな影響を受けるはずだ」
と想像できる能力です。物理法則と、身体の連鎖がわかっていなければこれはできません。
これができれば今現在では実現できていない、半歩先の進化の姿が想像できるようになります。
これを繰り返すことで、身体より先に想像で経験し、いつかそれを実現できるようになるのがイメージトレーニングがもたらす恩恵の一つです。
ご想像の通り、想像力が必要です。まるで素晴らしい小説家のようなものです。
自分の中に世界を作り上げられると、その世界と現実とのギャップが鮮明になり、常にそのギャップ改善をしているだけで現実を理想に近づけられることになります。
このリアリティを持つ感覚は、思い込みとも近く、時にアスリートや文化人がある思想に傾倒することがありますが、これは現実における世界(社会と合意が取れたリアリティ)と、自分の中に作り上げた世界の比重がそれほど変わらないからだと考えています。
私が想像する世界と今目の前にある世界が等価でみえるようなバランス感なのではないかと推測しています。
結局これらは没入する力に支えられており、これは子供時代からの夢中の深さと量で決まっていくと考えています。
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