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ルサンチマンからの脱却

自分なりの生き方を大事にしたり、多様な価値観を社会に広げることが大事だというのは、多くの人が賛同してくれます。しかし、その考えが広がらないのはなぜでしょうか。それは、自分の中に根強くある物語と、社会が持つ物語がとても強いからだと私は考えます。これをどう対処していくかが自分を生きていく上での鍵になります

私たちの中にもったいないという感覚があります。例えば一度手に入れたものはなるべく有用に使わなければという感覚です。有用に使いたいと考えながら、果たして有用とは何を指すのでしょうか。何に役立てば有用と言えるのでしょうか。せっかく才能を持って生まれたり、良い学校にいったりするのなら、ちゃんと活用しないともったいないと感じます。では、ちゃんと活用して何を得るかといえば、金銭か社会的地位になります。

優秀な人間が、たいして儲からず、社会的にも評価されないけれども、ただ好きなことに人生を費やしている様子を見て、もしもったいないと感じるならば、固定化された価値観で見ていると言えます。才能を努力で磨いた先に、手に入れるのは当たり前のように金銭や社会的評価だと考えているからこそ、もったいないと思うわけです。

これらの固定化された基準で自分の位置を評価すると、成功している側かそうでない側かということしかありません。ルサンチマンを抱える人は、自分なりの好きなものや大事なものがなく、そして他人の目を気にする傾向にあります。直線的な評価で自分や他人を見ている人です。直線的な評価で見れば、他人は自分より上か下かしかありません。だからこそ、優越感を抱いたり、劣等感を抱いたりします。

固定化された基準から離れるには、他者から評価されるということを諦める必要があります。ルサンチマンとは他者評価から逃れられない人の苦しみです。周りと比較しないと自分の位置がわからない人にルサンチマンが宿り、生きたいように生きてそれで十分と思う人にはありません。ルサンチマンを抱える人の人生評価は直線的です。

自分が幸せかどうかを他人に決めてもらうのをやめ、自分で決める。これができるだけで人生は一変します。あの人の人生は私の人生ではないのです。

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