見出し画像

現役の学生と話して思い出した、「林業の現場やろう」って決めたときのこと

先日、大学生のころ在籍していた研究室のOB交流会(的なもの)に行ってきた。
そしてそれは、現役の大学生達と直接コミュニケーションを取る久々の機会でもあった。私よりはるかに優秀であろう彼ら/彼女らは、いずれ来たる就職活動について頭を悩ませている子も多かった。

私は、何を隠そう30歳手前ですでに2回転職をしている。しかも大学卒業時には就職先が決まっておらず、半年ほどニートをしていた。縁あって拾ってもらった1つ目の会社も、2年ほど働いたところで心身の不調を理由に休職している。
一つ一つの出来事はそれほど珍しいことでも無いが、こうして並べてみると色々あったなぁと思う。
こんなキャリアもへったくれも無いグダグダの人生で、学生に何か偉そうに言えることなど何も無い。私自身が学生のころは、考えることの多さ(働く場所、業種…)に混乱し、入ってくる情報を処理しきれず、選択肢を増やす方法も絞る方法も分からず、ただただ頭を悩ませ続けていた。

一つ目の会社を休職していたころ、読んで(取り組んで)いたのが以下の本だ。

筆者のジュリア・キャメロンは、詳しく知らないが作家業などをやっているらしい。原題は「The Artist’s Way」。人は誰しもがアーティストになれる、つまり創造的に生きることができるのだという考えのもと、人が本来持っている創造性を回復させるためのプロセスが書かれている本だ。

この本に記されている代表的なワークの一つが「モーニングノート」だ。
毎朝、思考の赴くままに手書きの文章をノートに3ページ分書く。これだけである。筆者はこれを「脳の排水」とも呼んでいる。
実際、毎日はやらなかったし、朝に書くとも限らなかったし、1ページで終わることも多かったけど、半年くらいは続けたと思う。

すると、「とにかく手と身体を動かす仕事がしたい」という思いが自分の中に現れきた。おそらく、日々の細々した雑務や仕事のための思考に埋もれてしまっていた、もともと自分の中にあった思いが顕在化したのだと思う。
一つ目の会社は、いわゆるホワイトカラーの仕事で、大学までの成績がそこそこ良かった私はその仕事が向いていると思い込んでいたし、周りもそう思っていたと思う。中学校で運動部を卒業し、体力に自信がある訳でも無かった私は、そもそも現場仕事はずっと選択肢に入っていなかった。

色々と悩むところはあったが、最終的に林業の現場に進むことに決めた。大学で森林科学を多少学んでいたこともあったし、何より現れてきた自分の思いに背中を押されたのである。
当時、相談した人達の中には「おすすめはしない」と言う人も居た。多くの林業の現場のリアルを知った今、おすすめできないと言う気持ちもまぁ分かる。
ただ、まだまだ短い人生の中ではあるが、経験則で思っていることがある。
「こういうことがしたいんです」と自分が言って、相手から反対された時に、
「そうか……」と納得してしまうことはやらなくて良くて(やらない理由を無意識に探している)
「いや、でも……」と思ったことはやった方が良いな(本当にやりたいことだから)と。(行き過ぎるとあまのじゃくかもしれない。)

結果論ではあるが、今は林業の現場が大好きだから「あの時あの選択をした自分グッジョブ!」と思っている。

まとめると、「①自分の思いを何とか顕在化させ、②人から反論された時の心の動きを観察した結果で自分の進む道を決めた」とでも言えるだろうか。
ちょっと自分本位すぎる気もするが。

冒頭の話に戻るが、私は大学生たちに何か伝えるべきだったのか。はたまた、もし今の私が大学生の私に会いに行けるとしたら何を伝えるべきだろうか。
無責任だが、「いつかは楽しくなってくるよ」とでも言うだろうか。未だに答えは出ていない。

ちなみに、休職中に心身の不調から抜け出した時の話は以下からどうぞ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?