今日の1曲(2024.3.11)

2024年3月11日(月)

Coldplay / Fix You


アホほど久しぶりに書く。5年ぶり。
東日本大震災から13年経った。毎年来るこの日に必ず思い出して聴いている曲。あの日感じたことをいつまで覚えているかも分からないので、活字に残しておこうと思い、眠っていたnoteを叩き起こしてみた。

あの日、その頃勤めていた都心郊外の会社で揺れに襲われ、発災してからしばらくは社内で待機していた。電車が動く気配がないまま定刻になったため、歩いて帰ることを決意。
ガラケーの地図アプリで家までの道を調べると、5時間かかると。歩き出して30分もすると薄暗くなってきた。携帯の充電器用の電池(当時の充電器は単3電池を交換する型が多数派だった。ような気がする。)を買おうとコンビニに入ったけど、営業してないからと追い出された。
諦めてもうしばらく歩くとお腹が減ってきた。住宅街の中の個人商店が空いていたので入ってみる。パンやおにぎりはなくなっていたけど、お菓子類とお茶は残っていた。オレオとお茶を買って歩きながら食べた。歩いていく途中、停電しているエリアもところどころあった。停電しているエリアは真っ暗だったので、星がよく見えたのを覚えている。

道程が残り4分の1になったあたりで、壊れてずっと鳴っている踏切に差し掛かった。遮断機は、車が無理やり通ったのか、中途半端に上がっていた。念のため電車が来ないか確認して踏切を通り越し、しばらく歩いていたとき。シャッフルで流していたiPodから、Fix Youが聴こえてきた。優しいオルガンシンセの音から始まり、ピアノやアコギが加わりながら徐々に盛り上がり、最後はまた静かに「君を支えたい」と歌われる曲。
特段好きなわけではなかったけれど、その時なぜかこの曲に胸を掴まれ、家につくまでリピートして聴いていた。

この曲を聴くとあの日のことを思い出す。
停電エリアを歩くときの緊張感とわずかな高揚感。歩きながら観た星。オレオの味と口のパサつき。黙々と歩く人たち。鳴り続ける踏切の音。
この日が来るたびに、あの日のことを忘れたくなくて、この曲を聴く。きっとこれからも。

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