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ユニフォーム応援の歴史

千葉ロッテファンは球場でユニフォームを着て応援する文化が根付いています。
近年はどの球団もイベントでユニフォームを配布したりするので、ユニフォームを着て応援するのは普通な事かもしれません。しかし以前はレプリカユニフォームを買うことすら主流ではありませんでした。
その中でも選手が着用するユニフォームに、色を揃えて応援している千葉ロッテファンは少し他球団とは異なります。

ユニフォーム色に染まるスタンド」を演出する事でマリーンズファン独特のスタジアムの雰囲気を作り出し、一体感をもって更にチームを後押しするという気持ち。外野スタンドにおいて他球団より色が統一されているのは、ファン一人一人の行動の表れだと思います。

ではこのファンがユニフォームを着る応援はいつ頃から始まったのか。

1995年。
ボビー・バレンタイン監督就任。
ボビーは「戦う色ではない」という理由から、これまでの千葉ロッテマリーンズのチームカラーならびにユニフォームのデザインを一新しました。
ピンク色から現行の白・ピンストライプユニフォームが誕生した記念すべき年です。

当時はプロ野球ファンはユニフォームを着るという文化は全くありませんでした。そんなご時世に千葉ロッテマリーンズファンクラブにおいて入会特典でピンストライプユニフォームの配布を開始。インターネットが今のように主流ではない時代でしたので入会受付は球場がメイン。入会特典のユニフォームを受け取った方がそのまま着用して試合観戦をしたり、スタンドでもユニフォームを着用するファンが増え始めました。

そしてこの年、当時の外野応援団(川崎応援青年団)も一大決心をしたのです。
これまで応援団は法被を着てファンをリードする応援をしており、その法被こそ、応援団の象徴でした。
ユニフォームを着るファンが増え始めたと言っても、法被を着ている応援団は特別な存在で、オーラが違いました。その法被を脱ぐ決意をしたのです。

「応援団と他のお客さんの区切りをできるだけなくし、ライトスタンド全体で一体感を出して応援しよう」

外野応援団はチームを勝たせたいという強い思いから何かを行動しようと考え、ライトスタンドみんなが選手と同じユニフォームを身に着けて応援しようと呼び掛け、チームを更に後押ししようと考えたのです。

外部からは賛否両論もあり、他球団ファンからは「マリーンズ応援団は魂を捨てた」などと揶揄される事もあったそうです。
たかが法被を着るのをやめただけ、ユニフォームを着て応援する事にしただけ、とお思いの方もいらっしゃると思いますが、他球団ファンからも注目されて叩かれる、それほど当時は大きな出来事だったわけです。

しかしながらこの行動が千葉ロッテマリーンズの今日の応援に繋がっており、千葉ロッテマリーンズファンの先人達の行動、勇気ある決断に私は敬意を表します。