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西武には負けられない

2019.5.9
埼玉県営大宮公園野球場
一時期、借金6まで膨れ上がり、ここまで1勝5敗1分と負け越している埼玉西武ライオンズ戦。勝てば借金完済、シーズン序盤と言えど絶対勝たなければならない一戦だった。
延長戦になり、勝ち越した瞬間、ライトスタンドから雄叫びのように叫ばれた「西武には負けれられない」はロッテファンの気持ちそのものだった。

西武には負けられない
魂を込めてたたかえ

ファンの間ではお蔵入りになったなんて噂も流れていたらしい。
この歌を知らないロッテファンもいたぐらいだ。

この応援歌は西武ドーム限定応援歌として2000年に発表された。
それ以来、対西武戦のビジターゲームでは毎試合叫ぶように歌われていたが、時代の流れにより、歌われなくなったのは事実だ。

でも応援団は決してお蔵入りなどにしていない。ここ一番、応援団だけでなく、スタンドにいるファン全員、そしてチーム・選手がどうしても西武に負けられない一戦でマリーンズ全体を鼓舞する為にこれからも使われるはずだ。

ライオンズとは太平洋時代から深い因縁がロッテにはある。
1990年代パ・リーグでは絶対王者として君臨しつづけたライオンズ。
弱小球団だったロッテには、そんな相手にとって不足がないからこそ歌われる歌詞だと私は思っている。
この歌には埼玉西武ライオンズに対して、敵意しかなく、ロッテファンは西武に長年の雪辱を果たすかのように歌い、チームを鼓舞する。
それは西武の強さを認めているからこその敵意なのである。

最近のファンの方にはなぜそこまで西武をライバル視するか疑問に思われる方も多いかもしれないが、ロッテファンには歴史・伝統を重んじる人が多いからこそ、今日のロッテの応援があるように思える。

「西武には負けられない」は歌という生ぬるいものではなく、西武に対して心底から叫んでいる声なのである。
絶対負けたくない、絶対西武に勝つ、その熱くなった気持ちが必然的に大きな声となって発せられ、歌になっているという特別なものと認識していただきたい。