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トライアルに落ちて、悔しいって話

本命だったトライアルに落ちた。

このトライアルに落ちたことで、言葉も出ないほど落ち込み、やっぱりどれほど映像翻訳がやりたかったのか、情けなくも実感した。


受験して提出したのはもう数カ月前。自分を鼓舞しながら「送信」をクリックした時の高揚感や恐怖感とかいうものは、すっかり忘れていた。

結果が来ると言われていた時間に向けて、私の心臓はドカドカ鳴っていた。

そして来た評価はB

B+以上が合格。

コメントは「本当にあと一歩です。」だった。


心の中に湧き上がる「そこを何とかー!!」と叫ぶ軍勢は30分くらい私の心に居座っていたけれど、「たとえB+で合格しても、それで満足せず上を目指してください」という字幕翻訳クラスの先生の言葉を思い出した。

B+もとれなかったんだから、私はまだまだだったんだ。

一緒に勉強していたクラスメイトで、きっとこの人は受かるな…!と思っていた方は受かったようだったので、やっぱりまぐれ当たりも無ければ、まぐれ外れも無いわと納得し、デビューの先輩となったクラスメイトの活躍を祈る。


悔しさをどうするか

高校の部活の顧問の高橋先生は言った。
「負けてから悔しくて猛練習する奴を次に起用しようとは思わん。なぜ最初からそのくらいやらなかった」

すみません、高橋先生。私、このトライアルに向けて、猛練習足りてなかったんでしょうか。
でも、作戦を練り直して、もう一度頑張らせてください。


このトライアルの不合格を知って、言葉も出ないほど落ち込んだ。
どうにか頭の中で言い訳や気を紛らわすことを考えようと思ったけれど、やっぱりどれほど映像翻訳がやりたかったのか、情けなくも実感した。

こんなに悔しいのはいつ以来だろう。春に別のトライアルに落ちた時も悔しかったけれど、こんなに頭がジクジクするような悔しさは無かったな。

悔しさが自己否定やダークサイドに変化してはいけないので、考えたのは2つのこと。

①翻訳家になってからやりたいことを整理する

こち亀の作者 秋本先生はこの本の中で

仕事をはじめたときではなく、最初の目標に到達したときが本当のスタート

とおっしゃっていた。

大学合格とか、結婚とか、〇〇になる、という肩書きを持つことが目的になっている場合。
本当に大切なのはそのゴールテープを切った後にどういう状態でいたいか、どうやって走り続けたいか。

私は「翻訳家になりたい!」が1番に来ていて、その後のことを言語化したり、具体的にイメージしたりしていなかった。

私が字幕翻訳者になってからやりたいこと、なってからの目標は

・自分の書斎や仕事部屋で居心地よく感じながら仕事をする(状態)
・両親が健在のうちに、映画館で私の名前がクレジットに入った映画を観てほしい(達成目標)
・このジャンルならこの人の訳だろうね、と言われるようになる(状態、周囲からの評価)
・松浦美奈さんのような翻訳家になる(目標とする人)
・敬愛する俳優の出演作を訳す(達成目標)
→エマ・トンプソン/エマ・ワトソン/エミリー・ブラント/キーラ・ナイトレイ/ジリアン・アンダーソン/オリビア・コールマン/エディ・レッドメイン/ベネディクト・カンバーバッチ/イアン・マッケラン/ダニエル・ラドクリフ/オーランド・ブルーム/ピーター・ディンクレイジ
・ネットや辞書、オンラインが切れても余裕で仕事できる知識を持っている(状態)
・年に1,2カ月、海外で過ごしながら仕事をする(理想)

こうなれたら、これができたら、私は誇らしげに過去の自分へ手を振るだろう。それなら、トライアルは受け続けなきゃいけないし、僅差で不合格するどころか、もっと上を目指さなきゃいけないんだぞ。

気持ちが落ちた時のジャーナリングと似ている。少し気分が良くなった。

②字幕翻訳家として立つためのマンダラート

マンダラートでググると、昔からずっと話題の、でも今もっと話題の大谷翔平選手が高1の時に立てた目標のマンダラートが出てくるので、見たことない方はぜひ。

プロになってもバッターとピッチャーの二刀流で行く、と言っていたことも大人たちは一笑に付したけれど、彼がここまで1つ1つのことに目的意識を持ってやっていた選手だったのなら、今の成功は才能でゴリ押しただけのものではないのがよく分かる。

高1当時の大谷選手のマンダラートの中心は「ドラ1 8球団」。

今の私のマンダラートの中心は「字幕翻訳家として立つ」。英語と日本語の力だけじゃないことがよく分かったので、健康でいること、ツールをうまく使うこと、生計を立てることなど、他の要素でも何が必要なのか考えた。


1つ1つをちゃんと取り組めるか、少しずつやってみないと分からないけれど、闇雲に頑張るぞ!じゃなく、1歩1歩踏みしめていきたい。


でも、ただ、本当に、悔しいけどな。

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