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ギャグの訳ってムズカシイ

昨日提出したトライアル、さっそく合格でご連絡を頂きました!嬉しい!!

これまでの戦績は4戦 2勝2敗。

春の初めてのトライアルで合格して少し調子に乗っていたところはありますが、その貴重な1勝はボランティアで長編映画1本をやらせてもらえるやつなので、今すぐ対価を頂ける仕事に繋がるものでは実は無かったんですよね。

字幕翻訳クラスの先生の話では、駆け出しの翻訳者は(特に英語→日本語のメジャーな言語ペアの場合は)特典映像やドキュメンタリー、納期の短い配信用のドラマ作品などから経験を積んでいくことが多いようです。

そのため、一般の映画館で流れる配給作品ではなく、映画祭のみでの上映だったとしても、長編映画を1本訳せるというのは貴重な経験。

貴重ゆえに、映画祭の作品を駆け出しの翻訳者がボランティアで手掛けるということが時々あるようです。私のその駆け出しのうちの一人。

初めて合格したのは、そのためのトライアルでした。

今回のは、有償の案件をもらえるようになるかどうか、のトライアル。

ただ、合格の連絡をもらえたとは言え、実際にお仕事をもらえて初めてのスタートライン、さらには継続的にもらえるようにならないといけない。合格は明確に分かっても、後々に出していく成果物の出来が悪くて、ん~これ以降は無いな、とサイレント不合格に降格する可能性もある。それがフリーランスで単発の仕事を受けることの怖いところ。

(今、無職なんで)10月上旬までは確実に平日土日問わず対応できます!と営業メールで返信しつつ、あとはしばらく待つしか無し。しかし、まずは可能性を持てたことが嬉しい。

ギャグやパロディの部分をどう訳すか、というのが今回のトライアル作品の難しいところでした。

日本語らしくあまりにも変えてしまうと、せっかくの元の要素が消えてしまったり、英語ゆえに聞き取りができる人が多いため、そんなこと全然言ってなかったじゃん!と違和感を感じさせる邪魔な字幕になってしまう。

そういう点で、みんな大好き”フルハウス”はとても参考になっています。

私は小さいころEテレ(当時は教育テレビ)の吹き替え版を観ていたので、Uncle Jessyは”ジェシーおいたん”だし、ジョーイのポパイの物マネも吹き替えで聴いていました。

Netflixの字幕は、Netflix用に訳されたものなのかちょっと分からないけれど、ダニーの親父ギャグやジェシーのカッコつけきれない台詞の訳し方が参考になる。

親父ギャグ、だじゃれは言葉遊びなので、翻訳者のセンスが出るところ。Netflixを観ながら、上手いなあと唸ったりしています。

今回は単語の頭文字で遊ぶようなセリフで、どうしたものかすごく悩みました。「整いました!」とキレイに出せればいいけれど、結局こねくり回して「コッ、コレでいかがでしょう…!」とひねり出した訳。

その点に好意的なコメントを頂けたので、ああ何とかひねり出せて良かったと安堵。

翻訳者のセンスも出るし、観る側の好みもあるので、誤訳でない限り、ギャグの訳には正解というのも無い。字幕で爆笑させられたら光栄だけれど、客の笑う度合いも元ネタから離れすぎてはいけないし。

仕事をもらうようになっても、1つ1つの訳にこれだけ考える時間を持てればいいけれど。その為にはサクサク進められる部分の効率を上げていきたいと思う。スポッティングとか。


まずは喜びたい。ハーゲンダッツ食べよう。


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