見出し画像

世界美異識紀行 台湾・金剛宮 カラッポがいっぱいの世界

正月実家に帰ったら、諸事情は省くとして
もう色々気が滅入り
新年のやる気もへったくれもなくなったので
(いいわけ)
サクッと台湾へ行って、旨いもの食べたり
温泉入ったりしてきました。
で、台湾ディープ・ホットスポット、
奇怪遺産としても名高い
儒教・仏教・道教・バラモン教が共存
(という名の下に混然一体となっている)
金剛宮へも立ち寄ってきました。

行くのはそう大変ではないが、
けして楽でもなかった。
台北中心地から行くと片道2時間半ほどかかる。
行ってやるぞ!という気持ちがないとくじけてしまうかもしれない。
まずは台北駅から地下鉄MRT淡水線に乗り
終点の"淡水駅"に行きます。
( 地下鉄だけど途中から地上に出る)

淡水駅バスのりば
ここから約1時間ほどバスに揺られた
この写真では、バス停にひとが並んでみんな待っているように見えるが
バス停の前にお目当てのバスが
停まるわけではないことになんとなく気付いた!
探してみたらちょっと離れたとこに
乗るべきバスがきてた!
異国の"バスルール"は本当に難しい。

これがバスの運ちゃんに見せたメモ
富基漁港というところで降りる。
淡水客運862・863・867のどれでもOK
バスは台湾北端のさびれた海沿いを延々と
走っていく。バスの運転は極めて荒い。
早々に酔ってくる。
一応、車内の電光掲示板に次のバス停の
案内表示が出るんだけど・・
文字が流れるスピードが
信じられないほど速い&一度きり!
絶対見落とす!
なので乗車時に、メモによる意思表示は必要。
降りる時に、この道を行け!とジェスチャーで
教えてくれた。ありがとう・・
で、その通りに歩いていくと・・

もう、ここしかない!としか言えないような
場所に辿り着いた。

入り口。この日の台北は曇天だった。
Welcome!と歓迎してくれているのか、いないのか

あらゆる"親孝行"の様子を表現した銅像が並ぶ
このあたりは"儒教"の縄張りだろうか。

これこれ!これが見たかったんだよね。
"老姑に自分の母乳を与える賢嫁"

すぐ近くでは子どもが泣いている。
私なら乳飲み子を優先させるけど・・

それが観音の教えなんだろうか?

"インフォメーション"みたいなところに座っていたおじさんにあいさつすると、
日本語が堪能なおばさんを連れてきてくれて、
日本語版のパンフレットをくれ
"みどころ"を説明してくれた。
そして、ここを訪れる日本人のほぼ全員が見たがっているであろう、「アレ」の場所も・・

まずは真面目に参拝
"四面仏"拝む場所が4方向ある。
おばさんに教えてもらった通りに拝む・・
安泰順調・金運昇進・子孫繁栄・延命健康と
人間が願うおおかたの現世利益が網羅されている。

日本人がみな見たがるアレ!

正面から撮ったらすごく暗くてだいぶ補正してみた
神様は全てお見通しだ

神様がズラズラ並んでいるが、
ひとがいない・・

ビッグ・ブッダ

こんなのをひとりで独占して見れるなんて、
もしかしたら
ものすごく"ぜいたく"なんじゃないだろうか?

五百羅漢。
かすかな物音にも"ビクッ"としてしまう。

「ぼくたちがついてるよ!」と
励まされた気がした。

いざとなったら守ってくれるよね?
神様(の手下?)なんだし。

この人形、2メートルくらいあるんだが
中国全土を探せばこういう人は実在していて、
至ってふつうに生活している気がする。

上階から見渡すと海が見えた。
この海の向こうは、さてどこになるのか?
調べてみたら、中国の温州市というところだった。
"商才に長けた温州人は「中国のユダヤ人」と称されることがある"・・Wikipediaより
そうなんだ!しかし本当に中国のことをよく知らなくていけないな。近いのに。
そして、私としては最も気になっていて、
最後にとっておいたルートへ向かう。

それは地獄廊下。

えーっ!?

痛っ!いたたたたっ!やめて、犬!
食べないで!内臓を!
いったい生前にどんな悪行をすれば
死んでなお、犬に喰われる
ハメになるというのだろうか?

おちおち死ねない!

エンヤコラ・・と石を乗せられたくはない

悪い奴らは釜茹でだ

ナゼか地獄廊下だけはセンサーがついていて、
近づくといきなり電気がついたり
不穏に動き出したりと
アトラクション性が強い。超怖い。 

続いて地獄の上階にある
"天国廊下"にきたが、
驚くほどに天国感はない。

あっ、また食べられてる!

毛がぼうぼうだ!

構ってくれる人がいなくて天国の神様たちも
さびしそうに見えなくもない・・。
信じる人間がいてこその神(という概念)だろう。
とにかく多量の神様にあいまみえる場所だ、
金剛宮というところは。

神様へのお供え物だろうか?

謎の"仏教コインゲーム"が鎮座して、ひとを待っていた。

唐突に展示されている"おかんアート"のコーナー
風景画にビーズやラメの粉をまぶして"装飾"してある。ウチの母も、道端で拾ってきた木の実で
"リース"を作っているが、共通したセンスを感じる。

おみやげも売っている。
お守り(50元)を買ったら、
コーヒーを振る舞ってくれた。

帰るのがもったいなくて、ベンチに座って
これらの像をひたすらぼんやり眺めていた。
金剛宮は、いっけん混沌としているふうだが・・
本当にそうなのだろうか?
日本では珍スポット的な場所として紹介されているけれど・・
ものすごく真面目な場所でもあるのだ。
仏教のいうところの"一切は空である"
私の肉体も、たましいも、
たまたま今ここにあるけれど、
変質していくし、いつかは無くなる。
そもそも本当に自分がいるのか、確証もない。
でもそれでいい。
神様だって変化してきたし、
これからもそうだ。
そう考えたら凄く安心できた。

私が帰る頃、やっとお客さんの集団がやってきた。
ツアーっぽい。さて・・ぼちぼち行こうか。
またあの荒い運転のバスに乗るのか・・

犬がお見送り。

まわりには本当に、民家と畑しかない。
黒い犬がとぼとぼと気ままに歩いていた。
ふたたびバスに乗り、淡水へ戻った。
また酔った。そして思いがけないトラブルが勃発した!

ヤクルトのフタをきちんと閉めなかったために、
カバンの中にこぼれて
せっかく貰ったパンフレットが
濡れてヨレヨレになってしまった・・
自分のバカ!
神様ごめんなさい!

入場は無料(そういう問題じゃないけど・・)
またこいよ!と黄金の象がささやいた気がした。

今年も不条理な1年になりそうだ。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?