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Broken Wing

あたたかな春の日差し
私は蝶になった

私は甘い蜜を求めてさまよった

やわらかな風に揺られて
どこまでも飛んで行った


するとそこにあなたがいた

あなたの羽は一本折れていた

近づいてみると下を向いて泣いていた

何故だかわからないけど
ほっておけなかった


「どうしたの?」と、たずねてみると

「羽が一歩見つからないのです」と言った。


私はあなたの羽を探しに行った。

どこまでもどこまでも探しに行った。


やがて日も暮れ、お星さまが見えた。

「羽を探しているんです。どこかで見ませんでしたか?」

私は半分泣きながら訊いた。


するとお星さまは

「それは探さなくてもいい。それはそこにある」
と言った。

「でも見つからないの」と私は言った。


お星さまが笑いながらこう言った。


「違うよ。それはあなたの中にあるんですよ。

あなた自身がそれなんですよ。」

私は急いでさっきの場所に戻った。

あなたは優しく微笑みかけた。

私はなんだかおかしくなって笑った。

あんなに遠くに探しに行かなくても
こんなに近くにあったんだね。


あなたははじめからわかっていたんだ。


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