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ハローコンタクトバイバイメガネ

昔から目が悪い。

裸眼だと0.01くらいだ。気付いたら目が悪かった。

両親も近眼だから遺伝もあるのかもしれない。とはいえ、5歳の頃から公文式をやっていたことが最も影響していると思う。

漫画もゲームもやらないのに「勉強による近眼」という哀しき業を背負い、小学校に入った。


小1の頃メガネをかけ始めた。

今でこそ結構子ども用メガネはメジャーだが、平成初頭にはメガネキッズは少なかった。当時、学年で初めてのメガネユーザーになったわたし。

初めてメガネをかけて登校した朝をよく覚えている。朝礼の時間、担任の先生がわたしを皆の前に立たせ、頭をポンとさわった。

「みんな、よく聞いてね。

◯◯さん(わたし)は今日からメガネをかけて登校します。これは授業がよく見えるように付ける大切なメガネだから、みんな理解してね。

笑ったりしてはだめよ。」

その朝礼の風景はよく覚えている。

みんなじーっとわたしの顔を見て物珍しそうな顔。心配そうに優しく語る先生の声。クラスのみんなは先生の言葉に「はーい!」と元気に返事をした。

私にとって「メガネ=笑われるもの」というネガティブな認識はその瞬間までなかった。両親も先生もかけてるし。

こども心に「バカにされるようなものを付けている」ということはショックだった。みんなに注意喚起するほどのことなんだ。そんなものをわたしはこの先ずっと付ける。先生の配慮だったと今はわかるが、当時傷ついた事は誰にも言えなかった。

幸い、その後の学生生活でバカにされたりいじられたりすることはなく、強く意識することはなかった。それでもたぶん、私の心の奥には「メガネコンプレックス」が常にあったのだと思う。


コンタクトを使い始めたは中1の時だ。

当時、ワンデーアキビューの「新しい私、デビュー」というCMがよく流れていた。

ソフトテニス部だったので運動のしづらさや、屋外でのメガネ日焼けの恥ずかしさ、好きな男の子によく思われたい乙女心など、いろいろ理由はあった。変わってみたかったのだ。

初めてコンタクトを付けた時の感動も、よく覚えている。

まず、メガネをしていない自分の顔を初めてちゃんと見た。目が悪すぎて、裸眼で鏡を見ても自身の顔がよく見えていなかったのだ。「わたしってこんな顔なんだ…!」と思った。

そして、視界が広くなった。ソフトテニスの球もよく見えた。

中学校の友達から、かわいい!新鮮!と褒められた。好きな男の子にも良いじゃんと言われた。

とても嬉しかった。

大げさかもしれないけれど自分の世界が変わったし、少し自信が持てるようになった。レンズを目に入れるのは怖かったけど、勇気を出してチャレンジして良かったなと思った。

多感な時期とはいえ、そのイメチェンタイミングから自分の容姿に対しても関心を持ち始めた気がする。

細眉にしてみたり、メンソレータムをこまめに塗ったり、ストレートアイロンで髪をピンピンにした。特に前髪命だったので、コームを常に胸ポケットに入れ少しでも崩れると直してた。ORANGE RANGEが好きだったのでコームの色はもちろんオレンジ色だ。


それからは外出時は基本的にコンタクトレンズを使用している。

メーカーや種類などは今まで色々試したが、ここ7最近は友人に教えてもらった「シード1day pure うるおいプラス」をずっと愛用している。

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コンプレックスが解消されて前向きになれた、という学生時代の体験は自分の人生にとっては大きい事だったのかもしれない。だから、そういう事を仕事にまで選んでしまった。今この文章を書いていてわかってきた。

もちろんコンタクトレンズでは無い分野なのだが、自分の容姿に悩みを抱える人がコンプレックスを解消してポジティブになってほしい、と本気で思っている。先日ネットで見かけたのだが、「きれいに変われたことが嬉しくて、新しい口紅を買って帰った!」と書いてくれた方がいた。そういうことだよね。少し泣きそうになった。


今ではおしゃれなメガネも安価で気軽に買える。家用のブラウンのメガネも普通に気に入っている。それに、メガネがチャームポイントの素敵な人たちもたくさん知っている。メガネへのネガティブイメージは無くなった。

それでも、コンタクトを付けメイクする朝のルーティンが好きだ。家にいる普段の自分からのスイッチのようで好きなのだ。

周りの人から見えないコンタクトレンズだが、わたしにとっては世界を明るく見せてくれる大事なアイテム。

かわいい口紅も買っちゃうよ!

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