BL大好き♡『ポルノグラファー』丸木戸マキ先生著

記念すべき1個目の感想、何にするか迷いに迷ったんですが
今日なんとなく再読した、丸木戸マキ先生の『ポルノグラファー』について書いてみようと思います。

そう言えばBL初心者だったころ、丸木戸先生の独特な絵柄に勝手に苦手意識を持って読むのを躊躇っていたんですが、初めて購入して読んだ時「食わず嫌いほど損な事はない」と痛感した素晴らしい物語でした。
(そして物語と絵のマッチングの妙よ。。「それを知らない自分」のセンスほど当てにならないものはないです)



この作品は、自転車に乗ってた大学生・久住 春彦(くずみはるひこ・攻)に追突されて右腕を骨折してしまうポルノ小説作家・木島 理生(きじまりお・受)の出会いで始まります。

「全治1ヶ月半だそうです」

木島曰く「連載3つを抱えた作家」であるということと、久住がお金のない大学生ということから、
木島の提案で、治療費諸々の代わりに久住が木島の小説を口述筆記で原稿用紙に書き取っていくという約束が交わされ、二人の交流が始まります。

口述筆記の交流を通して、木島の持つ独特な色気にだんだんと惹かれていく久住。
第一話の終わりは久住が木島にちょっとからかわれた感じ(ネタバレなるので書きませんが)になって終わるんだけど、「後書き」によると、最初はここまでのお話として同人誌に発表された創作だったようです。

ここで終わってもめっちゃ余韻があっていい!!!んだけど
そこから続いてく物語がまたとってもとってもとっても!!素敵です♡

この作品の良さを一言で言うとなんだろう?って考えた時
登場人物の設定がとてもちゃんとしてることなのかな?と思いました。
だからこそ、それぞれのキャラクターの感情の機微も共感できるんじゃないかと。

例えば、木場の陰気で自虐的ですぐ逃げてけろっとした顔で大嘘つけるその性格も、「クズ」の一言で片付けられない何か愛おしさを感じる。
それは「本当はこうありたい」という木場の願いがあることや、そうできない背景をちゃんと感じられるように描いてあるからだと思う。

しかもそれはメインの二人だけじゃなく、二人を取り巻く全ての人々の性格もなんだかちゃんと伝わってくるんです。それぞれのセリフ一つ、表情一つ、行動一つで。
登場人物はみーんな一癖二癖あって、読んでいるうちにそれぞれのキャラに勝手に愛着が湧くというか。こういう人がその辺に本当にいそうだと思えるというか。
そういう作品って本当に珍しいように思います。(わたしは「スナックアケミ」のママ春子と、木島の妹が好きです☺️)

あとは、物語の終わり方。
文机に向かって久住からの手紙を読む木島と、久住が読む、木島の最新作。
最新作は、木島が久住に宛てた「約束」なんですよね。←多分ね。
「読後感」も私にとっては大切な部分なんですが、とってもとっても味わい深い終わり方で胸がジンとしました。



この作品には、
『ポルノグラファー』に続き『續・ポルノグラファー プレイバック』、
そしてスピンオフ『インディゴの気分』『アケミちゃん』と4作あるんですが、全部全部本当に面白くて、どの人物も愛おしく感じられる作品です。

クスッとした笑いを入れるのも本当にお上手で、最初の方で、ポルノ小説に出てくる隠語へのカルチャーショックを受ける久住の様子に笑えます。
(漫画の、「顔に縦線入る」って本当に素晴らしい表現ですよね・笑)



そう言えば作家さんのペンネームっていっつも面白いなぁと思って拝見しますが、丸木戸マキ先生はマルキ・ド・サドからなのかなぁ??
「マキ侯爵」ですね♡(って、本名だったら頭地面にめり込ませての謝罪案件ですね・・・)

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