ご先祖様へ


コロナのおかげで3年も予定が延びてしまいましたが、取り壊し予定の実家に、やっと最後の荷物の処分に行くことができました。

次女が上手に写してくれたので、すごく素敵な家に見えますね。笑笑。

実は築54年、震災で柱が浮き、床も少し斜めになっている危険家屋です。

家の中には、もうほとんど何もありませんでした。
80代半ばの母が、1人で片付けたとのこと。魂抜きした仏壇まで、自力で解体したと聞き、胸が痛みました。
「俺は病気持ちで、手伝えないからね」
母と同居している独身の弟が、涼しい顔でそう言うのを聞いて、軽い憎しみを覚えました💧

空っぽの家の中に入り、全部の部屋を見て回りました。
子供時代の感覚が甦り、涙が出ました。
この家には、今でも小さい頃の私や弟がいるみたいな、不思議な気持ちになりました。

私は、親同様に、実家の土地や自然にも育まれた、という感覚を強く持っています。

そして今回、家にも同じ思いを感じました。

ありがとう
育ててくれて
守ってくれて

最後に、そう挨拶することができました。


農家の本家だった実家。
体が弱かった祖父のもとに、集落で一番体が丈夫だという理由で嫁いできた祖母。
期待通り、祖母は農業の傍ら8人の子供を産み育てました。
私が子供だった頃は、お盆になると叔父や叔母、いとこたちが集まって、それはそれは賑やかでした。

でも、その家も父の代で終わりになりました。

先祖代々続いてきたものを、守れなかった。
そのことに罪悪感を感じていた時期もありました。
でも今は、守り続けることが良いとも、終わらせることが悪いとも思いません。


どちらでもいい。


そして、何かが終われば、きっと何かが始まる…

最後にご先祖様へ一言。

みなさんが、一生懸命守り続けてきた家業や家を、終わらせてしまってごめんなさい。

でも、この遺伝子を受け継ぐと決めて生まれてきた勇敢な子供たちが、今もこの地球の上で頑張って生きています!

だから、ご先祖様

どうか、どうか、これからも、今まで通り見守って下さいね。

 愛と感謝を込めて。




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