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高校時代の青春③

高一で印象に残ったことを忘れていた。

授業参観はかなり印象的な出来事だった。
担任であるM先生の数学の授業だった。
スーツやドレスで着飾った保護者の方が教室の後ろに陣取っている。
そんな中、私の父が仕事で遅れて入ってきた。
(ちなみになぜ専業主婦の母ではないかというと、母は当時まだ一歳になるかどうかの末弟の子守をしていたのとそもそも智辯和歌山という管理教育校が嫌いだったからである。)
父はなんと作業着だった。
正直私は恥ずかしいと思ってしまった。
智辯和歌山の保護者の所得水準も社会的ステータスも和歌山県内ではトップである。開業医や弁護士や経営者など資産を持っている人が多い。
そんな中、中小企業の営業部長である父が作業着で入ってきたというのは私にとっては恥ずかしいとその当時は思わされた。
保護者会では父は営業部長で磨き上げられた話術で場を和ませていたようだ。
ただ、今振り返るとどうだろうか。医師、弁護士、経営者の子弟ばかりの空間に入り込んだという意味では、まあ私は学力という意味では当たりガチャを引いたのだと思う。180人の公立中で1番、自分としては当たり前のことだったが、なかなかなせることではないだろう。
和歌山視点では中流の生まれの人間が和歌山県内において上流の層まで入りこめた、という意味ですごく意味のあったことだと思う。
そういう意味で智辯和歌山への入学というのは私の人生においてかなりインパクトのあるものであった。


高校二年生に上がった。クラス分けの結果でいうと、文系は割と編入からも上位クラスに入れていた。理系はほぼ編入組は壊滅状態といった形だった。
編入からのE組入りは、男子は5名だった。当時の智辯和歌山の男子の理系選択率は異常で編入の私のクラスには25名男子がいたが、文系を選択したのはたった5名だった。なんと理系選択率80%である。E組は男子25名、女子25名、男女比が1対1になるようにわけているのだろう。これが実質的に和歌山文系トップ50である。当時、和歌山県の生徒は一学年5000人程度いただろう。おおざっぱに文理で半々とすれば文系は2500人。そのうちの上50人なのだから、和歌山県文系の上位2%ということになる。私は常々、E組は最下位でも神戸大には受かるとポストしてきた。和歌山県の文系で上位2%に入っているのだから納得していただけるのではないだろうか。当時は泉南、紀北、紀中の優秀層は智辯和歌山が総取りしていたのでこの見積は大きくはずれていないと思う。

野球の話でいうと、センバツ出場は叶わなかったそうだ。
当時はあまり野球に関心がなかったが、春は出ないのだな、といったことが印象に残った。

中5(高2)になり、授業の速度が普通になった。
編入(高1)では、一年間で数IAIIB、英語は英文法全てを扱うため、英数中心に異常な努力量が必要だった。
中5はまったりとできる感じだった。

私は弁当を食べる友人のグループができた。
ラ・サール蹴りのI君、ゲームが好きなF君、声優やアニメが好きなK君である。
E組に来ているからみな学力が高い。
特にI君は仏像を彫ったり、扇子を持ってきていたり、独特な感性をしていた。智辯和歌山的視点で言えば、能開最上位クラスの適塾21出身でラ・サールも蹴っている。印象に残った人物だった。

I君に誘われて本の回し読みグループにも入れてもらった。
親が研究者のUさん、親が弁護士のMさん、私の生家からは割と近いところに住んでいるKさんであった。
私も含めるとそのグループは相当に学力が高かった。
読書家は学力が高い、というのはそのグループの印象がかなり強い。
この時点で先に進路先を書くが、
I君…現役文III
Uさん…現役文I
Mさん…現役早稲田法
Kさん…現役一橋法
私…一浪早稲田法
である。法学部人気の時代に東大と法学部ばかり。読書をすれば成績が上がるというものではないが、進学校+読書+文系という文脈では進学先はよくなると感じている。

さて、E組に上がると定期考査もあるが、だいたい私は20位くらいであった。当時なら、京大なら現役で入れるが、文一は難しく、文三も転がり込めるか怪しいといった席次である。だが、当時の私はそういった俯瞰した情報は持っておらず、ただ淡々と勉強していた。

夏になり、進研模試があった。
高2進研模試は皆さんも私との学力比較がしやすいと思うのでアップしておき、今日の筆を置こうと思う。

国語 80/100 全国偏差値75.9 校内偏差値65.0 校内席次11/263
数学Y58/100 全国偏差値63.4 校内偏差値45.7 校内席次170/263
英語83/100 全国偏差値76.3 校内偏差値56.9 校内席次62/263
国数英総合221/300 全国偏差値75.4 校内偏差値56.1 県内順位90/2814
校内席次68/263
国英文系163/200 全国偏差値79.9 校内偏差値64.5 県内順位5/1744 文系内順位2/75

判定
東大文IC
京大法C
早稲田法B
早稲田政経政治B

和歌山県で文理合わせてトップ100に入っていた。この時からやはり数学が苦手だ。英国はよく、早稲田法に受かるだけはある成績だと思う。京大法は絞って対策すれば、現役合格も可能だったのかもしれない、とこの成績を見て思う。
おそらく男子にしては国語が得意で数学が苦手というのは進学校では珍しいタイプだろう。

そして高校野球の夏の和歌山県予選に入っていく。

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