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体操・橋本大輝選手

【7月の回想録】
~東京オリンピック2020~

 昨年の今日、東京オリンピック2020大会で日本の男子体操界の、その歴史が大きく変わった。

 19歳の新星・橋本大輝選手が体操男子個人総合で金メダルに輝いたのである。

 私が初めて橋本大輝選手の存在を知ったのは、2019年の世界体操の時だった。

 この時、彼は高校生。まだまだあどけない顔つきで、体操が大好きということがその姿からも伝わって来る、まだまだ無名の選手だったが、この時から私は彼の大ファンになった。

 それからというもの、私は彼が出場する大会のテレビ中継や配信をすべて観るようになった。残念ながらまだ実際の演技は見ていないのだが、それでも画面越しでも彼の素晴らしい演技は私の心に活力を与えてくれた。

 やがて彼は高校を卒業し、順天堂大学に進学をする。そして、いよいよ2020年オリンピックシーズンを迎えたが新型コロナが大流行し始め、オリンピックは翌年に延期となった。

 それでも彼は何とかモチベーションを保ち続け、昨年の今日、オリンピックチャンピオンとなったのだった。

 長年にわたり、日本の男子体操界を牽引続けて来た、キング・内村航平選手は悔しいことに予選敗退となり、東京オリンピックでの活躍を観ることは叶わなかったが、それでも彼が果たして来た日本男子体操界への貢献は計り知れない程大きい。

 その内村航平選手から橋本大輝選手へ、日本の男子体操界の伝統というバトンが渡された、そんな瞬間だった。

 この時の橋本選手は、まだまだ王者としてのプレッシャーというものを感じることはなかったようだったが、それから間もなく行われた世界体操でのパフォーマンスが上手くいかなかったために、銀メダルに終わったことで勝ち続けるということの難しさを痛感したようだった。

 その後の国内大会でもベストのパフォーマンスは中々披露出来ず、蓄積された疲労と怪我によるパフォーマンスの低下が彼を苦しめた。

 そんな状態の中でも彼は次世代のエース、そして何よりオリンピックチャンピオンとしての立ち居振る舞いや心構えというものも、内村選手から受け取っていたようだった。

 来月、21歳の誕生日を迎える彼は、10月に行われる世界体操ではどんな演技を我々に見せてくれるのか、今から大いに期待したいところである。

                 

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