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何年か前のことだが、戦前の日本の母は家族の中で誰よりもいちばん偉かったと書いたことがあ…
先日、美容院へ髪を切りに行った。 子供の頃、母親が自分の行きつけの美容院へ連れて行こ…
私の部屋には、アンティークの木製の収納棚がある。三段式の一枚引き戸になっているのだが、…
私はポイントが好きである。そのためなら多少の労苦や恥を掻くのは苦ではない。 ポイン…
先日、TBSテレビで放送されていた「世界ふしぎ発見!」が三十八年の放送に幕を下ろした。…
いつの時代にも、その時代を象徴する人物、目立ちたがり屋ではない本人たちに言わせたら、非…
先日、私は伝説の女優・松井須磨子がカメラに向かって満面の笑みを浮かべ、お茶目な顔をして笑っている写真を偶然目にした。 今から一十一年前の大正二年十月号として発売された「ニコニコ」という雑誌の第三十二号に掲載されていた、五枚の松井須磨子の写真である。 松井須磨子といえば、日本の演劇界の黎明期に女優という職業が確立されていなかった時代に活躍した女優である。古くから数えれば川上貞奴に続いて二人目の女優とも言われている。 もう今では誰も直にその姿を見た者はいないが、数十年
急な来客がある時、茶菓子はあるか、茶葉は古くないか、湯呑みは季節に合った柄が描かれてい…
大人になってから、大人になることとはどんなことなのだろうかと考えた時、なかなか思いつか…
これまで、あまたの数の家電製品が世の中に出回ったが、その中でも人々が熱烈に飛びついたの…
今年も何の予告もなくあいつがやって来た。招かれざる客のそいつは、知らない間に私の生活に…
もう春もそこまで来ているというのに、湿度計を見れば連日のように空気が乾燥している。それ…
初雪が降った。 毎日が吹雪という、雪国で暮らしている人たちには申し訳ない程度の量しか…
【7月の回想録】先日、『太陽の子』公開までのカウントダウンが始まり、キャスト以外の場面写真が幾つか公開され始めた。 例えば戦前には、所謂中流家庭と言われた家には必ずあった手入れの行き届いたそう広くはない中庭、そして腰を掛けられる縁側、キッチンとは言わなかった台所。 あの時代当たり前のことだが僕は生きていないが、あの時代を生きた先祖の記憶や味覚や嗅覚が、僕の身体の何処かに息づいているのかも知れない。 そう言った意味では僕はやっぱり日本人なのだろう。何だか酷く懐かしくて胸が