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スペイン巡礼 2日目

疲れきっていて起きれない思ったけど、不思議と起きれる。

気持ちが高揚している。

ほぉ、高揚とはこのことを言うのか。

今まで高揚は可愛い女子が目に入った時の下心であったのだろうことはここだけの話。

初夏ということもあり日の出は遅い。

少し宿を探検する。

昔からわからない物事に対して好奇心だけで対処してしまう。

そして間違う。

この時も。

カトリックでもプロテスタントでもないけど協会に行こうと思い宿舎の外に出た。

外はまだ寒い。

あたりをキョロキョロすると人影が2つ。

話している言葉からおそらく韓国人の巡礼者だ。

バシッと装備を整え、まさに出発しようとしている。

扉を閉めて外に出てみた。

何かこちらに言っている。

しかもどちらかと言うと怒っている。

扉がオートロック式で一度閉まると外からは開けられないようになっていたのだ。

早朝朝5時。

外は真っ暗。

寒い寒いスペインの夜空の下、1人外に閉め出されてしまった。

ここからは漫画だ。

かろうじてよじ登れる場所にある屋内の廊下と外をつなぐ窓に登りペンライトを照らす。

そこを通るかもしれない誰かに存在を知らせるため。

数十分やったが音沙汰なし。

次はまどをバンバン叩く。

冷たい窓ガラスは拳に沁みた。

すぐ断念。

開き直りオートロックが掛かった扉をやさ〜しくノックしてみた。

何回か。

ダメ。

かれこれ1時間くらいしてまた最初のペンライト作戦に戻る。

ドアが開いた!

気づいてくれた巡礼者が何かと思いドアを開けて外を覗いてくれた。

そのままお前も外に、、、

なんて考えずに、ちょっとそこで待て!

とりあえず外に出るな!的なジェスチャーをして、とりあえず中へ。

ふぅーーーーー。

ちょっとドキドキ。

こういうのって日本にいるとなかなか体験できない。

朝ごはん付きの宿泊を事前に伝えていたので朝ごはんを食べに外のレストランへ。

コーヒー、オレンジジュース、パン、バター、ジャムが用意されていた。

朝は意外とみんな元気。

まだ疲れてないっぽい。

僕もまだ大丈夫。

ただ、

本気な登山とトレイルの格好と装備でないとキツイな。

この日から1週間分の写真を間違えて消してしまった。。

旅で出会ったカナちゃんに写真を提供してもらった。

ありがとう〜泣

とりあえずズブリまで向かう。20キロほどの道のり。

少し小雨が降っている。

本当に少し。

心配だ。

1時間ほど歩くと雨が本降りに。。

牛舎で装備を変える。

後ろで牛さんたちがうんこしてる。

恐ろしい量だ。

あれに飲み込まれたら窒息死する。

装備を整えているとさらに雨は激しく。

巡礼者の掟に従い土砂降りの中歩く。

防水の上着を持ってきたがこの量の雨だと防水云々は関係ないようだ。

この時、バサッと被るダサいカッパの偉大さを思い知った。

スペインの空は気分屋ということもあり青空が見えてきた。

少し温度も上がり降った雨が蒸発していることもあり蒸し暑い。

休みなく歩く。

ZUBIRIに着いた。

あっという間だった。

体力的にも余裕がある。

一緒に歩いている新島さんと予定通り残り20キロほど歩き次の街へ行くことに。

ぼくたちはかなり速いペースで歩いていたけれども、さらに速いイタリア人達を見つけてペースメーカーになってもらうことに。

これがランナー新島さんの心に火を着けてしまった。

イタリア人達は身長もあり手足も長い。

話を聞いている限りマラソン選手か何かだったぽい。

その屈強な奴らがトレッキングスティックを使って歩いたらそりゃ〜速い。

我ら折り畳み自転車、対してイタリア人は上位機種ロードバイクといったところか。。

なので我々は短い足をフル回転させなくてはついて行けない。

それも平地と軽い山道が混ざる足腰に負担のか道が多い。

日差しも強く、雨上がりで蒸している。

この20キロは長く険しいものだった。

残り3キロほどの地点の街で少し休憩。

イタリア人達と相席して今日の健闘を讃え合う。

1人のイタリア人は靴下を脱ぎまめをつぶしている。

スペインの気候は恐ろしくカラッとして過ごしやすい。

ただ20キロも歩けば汗は身体中から吹き出してくる。

もちろん足からも。

蒸れたままあまり合わない靴だ歩いていると湿って柔らかくなった足裏の川が歩く度に擦れてそれが豆になる。

足を止めた時には少しでも靴下を脱いで足を乾かすことにした。

幸いなことに最初から最後まで僕は足の裏に関してはトラブルは一切でなかった。

行く先々で靴下を脱ぎ代わりに包帯ぐるぐる巻きの足を無理やりサンダルに突っ込み歩いている巡礼者をたくさん見かけた。

よくそれで歩けるな、と感心してしまった。

それもボヘミアンな音楽なんかかけながら。

気質の違いか。

ただ、豆に関してはなければない方が絶対にいい。

歩くことによる歩くための旅なので痛い思いは少ない方がいいに決まってる。

靴は軽いトレイルラン用のシューズを持っていった。

これがめちゃくちゃよかった。

また後で持っていったもの、無くていいもの、あったらいいものなどはまとめよう。

午後4時頃やっとパンプローナに着いた。

到着時間が遅くなったので急いで巡礼者用の宿を探す。

ここは巡礼路の中でもかなりの大都市で勝手が分からずあたふた。。

いろんな人に声をかけてかける。

新島さんがスペイン語で聞いてくれてる。

その女の子がめちゃくちゃ可愛かった。

残念ながら写真はない。。

新島さんに、今の人可愛いっすね〜!って言うと、

可愛いから声かけたんだよ。

って真顔で。

エロオヤジだ。

少し迷ったが巡礼者宿に。

お金もないので街が運営するオフィシャルの宿に。

とにかく、バックの重さで肩が痛かった。

ふぅ。

疲れた。ほんと。

何やら新島さんがオーナーとスペイン語で話してる。

こんな時間に来たらどこの宿ももう空いてないって。

まぢ。

とりあえず電話で空いている宿を探してもらう。

一件だけみつかった。

15€。

素泊まり15€はかなり高い。

ただもうこの日はとにかく疲れていたのでそんなこと言っている場合でなく即決。

かな〜り怪しげな家族らしき経営者。

とにかく休みたかったのでそんなことも無視して風呂!

以外と綺麗。

何もなく埃にまみれの部屋だけどそんなのもまたいいなぁと思った。

少しベッドに横たわりこのまま寝てしまいそうだったがせっかく泊まりたくて来た街だからと、新島さんと軽く飲みに街に出た。

こういう大都市だと巡礼者の服装はめちゃくちゃ浮く。

しかも東洋人だと尚更目立つ。

ちょうど夜のお店がそろそろ開くぞという時間だったので少しぶらぶらして空いたバーへ。

とりあえずビールで乾杯。

オランダのビールかな。アムス。

うまいなぁ。

汗水流して言葉も分からず土地勘もない場所で疲れきった心も身体も疲れきった後に飲むビール、絶対に日本では体験できない味だ。

それにピンチョスを1つ。

新島さんと今日を称えあった。

帰ったらそのままベッドになだれ込みいつのまにか寝ていた。

そうそう、ドリアンの田村さんと全く同じ場所で写真を撮っていたことが判明。

偶然こんなこともあるんだなぁ。

僕が歩いた時はまだ小麦は青かった。

今日も歩けた。

Roncesvalles-Pamplona

#スペイン巡礼 #旅するパン屋

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