見出し画像

スペイン巡礼4日目

今日も早朝6時に出発。

少し、身体に違和感があったけど、大丈夫だろうと思いそのまま。

今日も新島さんは素晴らしく元気である。

一緒に歩き始めた頃は感じなかったけれども、ここに来て日頃の鍛錬の違いを感じている。

世界6大マラソンを制しているのは伊達ではないのだ。

意外と負けず嫌いな僕は身体の不調も気にせず今日も新島さんについていくことに。

それより何より、不安だったんだ。

……………

ビクビクしながらたどり着いたフランスのバイヨンヌの駅でバックパックに日本の国旗をつけた新島さんを見つけてどれだけ安心したことか。

……………


予定では今日は40キロ先のlos arcosを目指す。


途中、休憩でreinaの宿で作ったゆで卵で軽めの朝食。

少し歩いていると恰幅ののいいスペイン人の男性と意気投合して話ながら歩くことに。

どうやらこのスペイン人は工場勤めを40年間しており定年退職して老後を農業をしながらたまに巡礼をして楽しんでいるという。

ここで驚いたのはこの後も工場から数年間分毎月給料が支払われることということだ。

スペインの他の労働環境はわからないけれども素晴らしいと思った。

経済破綻しているとか、失業者が多いとか流れてくる話をそのまま鵜呑みにしていたらステレオタイプになってしまう。

実際、巡礼路で会うスペイン人も、訪れた町のスペイン人も、確かに仕事なくて、昼間からパターゴルフみたいなのやったり飲み屋でカードゲームしたりテレビ見たり呑んだくれたりしていたけど、


みんな楽しそうでした。

心の豊かさは金銭的な余裕以上に見ている側も豊かになると思いました。

……………

見渡す限り恐らく小麦畑の巡礼路を歩く。

何本か小麦らしきものを掴み聞いてみた。

これは何ていうの?

トゥリーゴ。

どうやらこれがスペインでいう小麦らしい。
ただ、この辺に生えているのはだいたいがビール用の麦になるようだ。

別の種類だと思われる麦もヒョイっと掴んで聞いてみた。

センテーロ

これは日本でいうライ麦らしい。

ぢゃあこれは?
マイス。

とうもろこしだ!

まさにスペイン巡礼序盤は小麦、ライ麦、とうもろこし畑しか目にしない。

それだけ、この地に必要不可欠なものとして存在しているんだ。

小麦が文化として根付く片鱗を垣間見た気がした。


15キロほど歩いたところで左足の付け根あたりに痛みを感じ始めた。

徐々に痛みが増していく。

これはヤバい。

高校時代陸上部の長距離に所属していて体力や身体の丈夫さにはそれなりに自信があった。

ただ、歩く時に使う筋肉と走る時に使う筋肉はかなり違う。

30キロ近くを4日も歩いた経験はなかった。

あーこれはダメだな。

20キロ近く歩いた。

目の前にはestellaが見えていた。


出会いがあれば別れもある。

思えば、新島さんについていくことに必死になっていてもっと見れる景色はたくさんあったはずだ。

新島さんは予定通りlos arcosを目指す。

また会うかもしれないし、今日が最後かもしれないけど、そんなことも考えず軽く挨拶をして別れた。

ブエンカミーノ!
お互いの旅の幸運を祈った。

……………

宿の前に座り込んでしまった。

思った以上に足は痛いし、明日から新島さんもいないし、予定どうするか、不安でいっぱいだ。

とりあえず自分のベッドに向かおうと階段を上がろうとした。

痛たたた。

手すりを使ってやっと登れた。

相当重症だ。

すぐに水シャワーでアイシングした。

平面なら歩ける。

勾配が着くと途端に厳しくなる。

明日からの不安がまた一つ増えてしまった。

……………

宿が開くのを待っていた時に知り合ったジェシカとグレイス。
ちなみに2人とも韓国人だ。
2人ともアメリカで暮らしているらしい。
そして、日本で暮らしたことがあり日本語を話せるサニーさん。

この人たちとここで会えなかったらこの先どうなっていたことか。

旅は道連れ世は情け。

すごく愉快で賑やかでなんとなく日本な乗りにも対応してくれる年上女子達に救われました。

楽しくて町のレストランで奮発しちゃいました。
白ワインとオリーブ。
サンドイッチ。
久々にお金をかけた食べ物。

人が作ってくれたもは美味しいし、汗水垂らして巡礼したあとのものはより美味しいし、同じ道を歩いて仲間と食べるものは涙が出るくらい美味しいです。



今日も歩けた。


puente la reina - estella



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?