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スティーブ・ジョブズと就活生

この間大阪出張に行った時、スタバで軽く仕事をしていたら隣のテーブルに、

「おそらく既に就職先が決まっているであろう大学4年生の先輩」

と、

「これからまさに就職活動が始まるであろう大学3年生の後輩」

的な2人が座ったんですよ。
ちなみに雰囲気としては、
先輩の方は、どちらかと言うと調子に乗った元気のいいバカといった感じで、
後輩の方は、ちょっと天然系な感じでした。

後輩 「いや、なんかグループディスカッションってあるじゃないですか?実際あれって何をチェックされてるんですか?」

先輩 「ああ、グループディスカッションな。俺もようやったわ。あれはな、ファシリテーション能力を見られてる思った方がええで。」

後輩 「ファシリテーション能力?」

先輩 「ファシリテーションっていうのはな、あれや。物事の『仕切り力』のことや。」

後輩 「仕切り力ですか。」

先輩 「そうや。仕切り力や。」

後輩 「その仕切り力って、どうやったらつくんですか?」

先輩 「まあ、場数を踏むことが一番やな。いっぺんやってみる?」

後輩 「まじすか?やりたいっす。」

先輩 「お前、ブレストって知ってるやろ?」

後輩 「はい、わかります。アイデア出すやつですよね?」

先輩 「そうや。それや、じゃあ今からやろか?」

後輩 「お願いします。」

先輩 「それじゃあ、お題は…、そやな〜、じゃあ、お前誰か尊敬するビジネスパーソンっておる?」

後輩 「尊敬するビジネスパーソンすか?」

先輩 「そや。誰でもええで。」

後輩 「そうすね。ジョブズっすかね。」

先輩 「ジョブズってお前!スティーブのこと!?」

後輩 「はい。スティーブの方です。」

先輩 「いや、『スティーブの方』て、逆に『スティーブじゃない方のジョブズ』についてお前が何か知ってるならむしろ教えて欲しいですけど、まあええわ。『スティーブのこと!?』とか聞いてしまった俺にも非があるのは確かやしな。おっけー、わかった。それやったらスティーブ•ジョブズに関するブレストしよか?」

後輩 「お願いします。」

先輩 「そやな、それやったら『スティーブ•ジョブズは何がすごいのか』がテーマや。何でもいいから思いついたことあげていこか。」

後輩 「わかりました。そうすね〜。うーん。まずは、『ファッション』ですかね。」

先輩 「いやお前いきなりそこ!?いや、わかりますよ?たしかにジョブズの黒タートルは有名ですけど、明らかに『スティーブ•ジョブズは何がすごいのか』っていうテーマで一番最初に出てくるポイントではないやろ!?まあええわ。ブレストっちゅうのは出て来た意見を否定せーへんいうのも大事なポイントやからな。ファッション、OK採用です。他に何か思いつく事ある?」

後輩 「そうですねえ、『iPodを作った』とかですかね?」

先輩 「お!ええやん!そやな、『iPodを作った』っちゅうことは確かにすごいな。今やウォークマンに圧勝中やからな。そういえばウォークマン言うたら、俺の友達の知り合いは『僕はアップルを倒す方法を知ってます!』言うてソニーから内定もらったんやて。バリいかつない?まあそれはええわ。他何かある?」

後輩 「うーん、そうですねえ。『iPhoneを作った』ってのもありですかね?」

先輩 「確かにそやな、iPhoneを作るなんてことは普通の人には無理やもんな。ある種のクレイジーさが必要や。俺もiPhone使ってるし、普通にめっちゃ便利やしな。『iPhoneを作った』、その案も採用したろか。他は何か思いつく?」

後輩 「他すか?うーん、そうすねえ。じゃあ、『iPadを作っ…」

先輩 「いや、商品名だけ挙げ続けるのもうやめて下さい!!」

後輩 「えっ?」

先輩 「いや、こういう風にツッコミ入れるのもファシリーテーション能力の一つやからな。ツッコミ力も見られてると思った方がええで。適切なツッコミで話の方向を修正するねん。『ツッコミ力』メモっときや。」

後輩 「ツッコミ力すね。さすがっす。」

…といったこのあたりで僕は新幹線の時間が来たので席を立ちました。
話を盗み聞きしながら、色々とツッコミをいれたい所はあったのですが、

『スティーブ•ジョブズは何がすごいのか』

というスケールの大きなテーマで突然ブレストを始めてしまうようなこの学生2人の前途はとても明るい。
それだけは確かでしょうね。
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