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【アルビ日記】2023-32:vsFC東京 0-0


「アルベルの血」

試合情報

・11/11(土)14:00キックオフ
・@デンカビッグスワンスタジアム。晴
・新潟10位、FC東京11位

アルビレックス新潟・スタメン

GK小島享介。DF藤原奏哉、舞行龍ジェームズ、千葉和彦、新井直人。MF高宇洋、星雄次、松田詠太郎、太田修介。FW谷口海斗、鈴木孝司。
【途中出場】トーマス・デン、三戸舜介、小見洋太、秋山裕紀、長倉幹樹。

試合ダイジェスト

【前半】
19分新潟、右サイドの崩し、藤原のクロスを谷口が右足で合わせるが枠の右に逸れる。48分新潟、またも右から松田→谷口のシュートは惜しくも枠外。0-0で前半終了。

【後半】
53分、舞行龍が負傷交代。62分新潟、右からのクロスを高が頭で合わせるがGK正面。終盤、右からのクロスを長倉がヘディングシュート、FC東京GK野澤がストップ。0-0で試合終了。

兄弟

今年のJ1も残り3節。
松橋力蔵監督率いるアルビレックス新潟と、ピーター・クラモフスキー監督率いるFC東京。
兄弟みたいな両チーム。
お父さんはアルベル監督。(新潟時代はアルベルトと呼ばれていた)

アルベル監督が新潟で根付かせたものを発展・進化させる松橋監督。新潟に定着したボール保持の哲学は、選手にもファンにも愛され、対峙するチームからも一定の敬意を払われ続けている。

新潟を去ったアルベルはその後東京に移り、また自分の哲学を植え付け、同じくポゼッションスタイルのクラモフスキー監督に継承した。

ただ、東京におけるクラモフスキーのサッカーは、清水、山形で指揮を執っていたときほどの頑固さが感じられない。ボールを捨てる(相手に与える)場面も増え、現実路線の侵食が垣間見える。

東京の選手たちのキャラクターをふまえてのことなのか、はたまた、クラモフスキー自身の苦い経験からくるものなのか。ちょっと分からないけれど、FC東京のサッカーは、アルビほどボール保持にこだわったものではなくなっていた

兄弟は、それぞれの道へ進んでいる。

ボール保持への頑固さで勝るアルビ。

FC東京の序盤は3トップ+トップ下・松木玖生によるハイプレス。負けじと後ろでつなぐアルビ。たまに引っかかりつつも、ここは曲げない。そこはシーズン通して、一貫している。

序盤のハイプレスはずっと続くわけではなく、やがて止む。15分過ぎくらいからアルビの前進が少し楽になってくる。こうなると、アルビの前の選手は絶妙な立ち位置をとり出し、間で受け、前を向けるようになる。

そしてこの日トップ下に入った谷口海斗が気を吐く。

シュートへの貪欲な姿勢。前を向き、ゴールが見えたら迷いなく右を振り抜く。
1トップの鈴木が降りてきたところ、左の太田が中に入ったところ、人一倍早い動き出しで、裏へ抜け、サイドへ流れてボールを引き出す。

谷口の動きにより前線に躍動感が出ていて、これもFC東京の前プレを弱まらせ撤退させる大きな要因となった。

遅攻とロングカウンター

今日のFC東京のように、アルビと戦う多くのチームが前線から激しくプレッシャーをかけにくる。

アルビの後方からの組み立て、その自由度を奪うためだ。

そこをアルビはCBとGK小島の3枚、場合によりダブルボランチがうまく降りてきて、いなす。そしてボールの入れどころを見つけて、前進していく。

序盤こそハイプレスに苦しむように見えるが、時間の経過とともに盛り返せるようになってきた。

相手のプレスに慣れてくる。それから相手の守備のスタート位置も少し低くなる。

頑固にビルドアップを継続することで、根気で勝ち、ペースを握る、という流れがここ最近できている。

アルビの守備は、前からガツガツいかない。

相手に持たれたら、4-4-2のブロックを敷いて、5分の2くらいに前進してくるのを待つ。そして入ってきたところを狩りに行く。

ハイプレスで前から奪いにいく、というのは、リスクも当然ある。
前に人をかけるため、後方に大きなスペースができ、守備陣形も乱れる。アルビの守備はこれを嫌っている。

まず整えて、待ち構える。

入ってきたところを奪ってマイボールにし、遅攻でOK、というのが基本プランだ。

もう一つのバリエーションとして、相手を引き込んでのロングカウンターがある。これはアルベル時代にはあまり見られなかった、松橋力蔵イズムだと思う。

後ろでボールを保持し、相手がカッカしてガツガツ奪いに来る。相手陣内に広大なスペース、ここを狙って走り込み、一気にひっくり返す。

鈴木や高木が起点を作り、谷口や太田、三戸や松田が裏に走り込むわけだ。

アルビが嫌い、リスクマネージメントしているハイプレス戦術を、相手はわざわざ敢行してくるわけだから、これを逆手にとる、というわけだ。

遅攻とロングカウンター、アルビはこの二本柱で結果を出せるようになってきた。



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