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【アルビ日記】2023-6:vs名古屋 1-3

「数的不利、それでも」

試合情報

・4/1(土)14:00キックオフ
・@デンカビッグスワンスタジアム。晴れ
・新潟は8位、名古屋は2位と好調

アルビレックス新潟・スタメン

GK阿部航斗。DF新井直人、舞行龍ジェームズ、早川史哉、堀米悠斗。MF秋山裕紀、島田譲、ダニーロ・ゴメス、伊藤涼太郎、太田修介。FW鈴木孝司。
【途中出場】田上大地、 高宇洋、三戸舜介、松田詠太郎、シマブクカズヨシ。

試合ダイジェスト

【前半】
35分、新潟が先制。ゴール前、ダニーロ・ゴメスのシュートをGKが弾いたところを太田が詰めた。その直後、舞行龍が危険なスライディングタックルで一発退場。1-0で前半終了。

【後半】
一人少ない新潟は4-4-1の布陣に。56分、永井にこじ開けられ同点。その後名古屋の猛攻に耐える展開。80分、右サイド森下のクロスをファーサイドでユンカーが合わせ逆転。さらに終了間際、稲垣がダメ押し。1-3で試合終了

手数をかける

代表ウィークの中断、ルヴァンカップを挟んでのJ1第6節。前節浦和戦の悔しい逆転負けを払拭したいところだったが。

残念ながら今日も逆転負け。それでも、今日の負けは収穫が大きかったように思える。

・つなぐことに向き合い直した前半
・ゴール前で身体を張った後半

前半のアルビ。去年までのパスワークが甦っていた。

強豪名古屋のハイプレスに対して臆することなく、後ろから頑固につなぐ。J1初出場のGK阿部航斗も積極的につなぎに参加。近いところに預けたり、ひとつふたつ飛ばす縦パスを入れたり、勇気ある対応をしていた。

試合前のインタビュー。松橋監督はこう言っていた。

手数をかけること

「手数をかけない」というフレーズはたまに聞くけど、「手数をかける」というのはあまり耳にしない。「手数をかけず、相手の陣形が整う前にゴール前に迫る」のが良しとされる風潮は確かにある。

あえて「手数をかける」と言うこと。

そのメッセージに、改めてアルビのサッカーを思い出そう、という意気込みを感じた。

そして実際、そのとおりの光景がピッチに描かれた。
名古屋の前線は3枚でプレスに来る。ユンカー、マテウス、永井、いずれも獰猛な獣のような圧。その後ろに控えるのは稲垣、米本という狩人コンビ。

プレッシャーが弱いはずはない。

今日のアルビは逃げなかった印象がある。自分たちの思想、ビルドアップを貫いた。あえて手数をかけて、丁寧に前進した。

これがよかった。J2を席巻した、去年までのゲームの感触があった。最初から前線の鈴木、伊藤に入れるのではなく、ボランチも絡みながら、後ろから組み立てる。名古屋のプレスを1枚、2枚剥がしながら相手陣内に入っていくあの感じは、我々がよく知ってる、アルビのやり方だ。

勇気あるGK阿部、それから中盤の底でリズムを作った6番秋山の仕事も忘れてはならない。

名古屋の成熟

舞行龍ジェームズの退場は残念だったけれど、当然こういうことは起こり得る。

1トップを捨て、CBの田上を投入。この交代にも意思が感じられた。

数的不利で押し込まれることが想定される中で、カウンターの起点として前線で身体を張れる鈴木は、本来は残しておきたいところ。

そこをあえて外し、1トップ不在とした。カウンターするにしても、あくまで後ろからつなぐんだ、という意思表示。

今日の両ワイドは、太田が左、ダニーロゴメスが右。右が主戦場の太田の左はどうなのかな、と思ったが、左は左で面白い。太田のウィングストライカー的な要素が、右以上に出てくる気がする。
ゴール前への斜めの入りの質が高い。全盛期の岡崎慎司のような。

そして右に入ったダニーロ。典型的な右ワイド専門のレフティ、といった風合い。キレもある。こういう選手はチームに一人はほしい。今までのアルビには意外といなかった。

両ウィングが良いので、数的不利になっても、いい形でどちらかが前に出ていければチャンスはあるぞ、という雰囲気はあった。実際、ダニーロの惜しいシュートがあった。

けれど名古屋のリスク管理は成熟していて、実際にはほとんど封殺された。カウンターの起点を作らせてもらえなかった。

名古屋の2シャドーがうまくサイドに流れて起点を作るので、アルビのサイドバック(新井、堀米)はその対応を迫られた。で、アルビの両ウィング(ダニーロ、太田)は、名古屋のウィングバックの対応に追われることに。
じりじりと引かされ、最終的には後ろに張り付かされてしまった。

後半のアルビはよく耐えたが、名古屋の成熟度が上回った印象。ただ直線的にゴールに迫る、というわけではなくて、じわじわと環状にアルビゴールを締め上げていくような。
ボールをかき出しても起点ができない、潰され回収される。これが続くのでアルビはなかなか呼吸ができない状態になってしまった。

後半の3失点は、まあ仕方ない。
今日の敗戦も受け入れるしかない。

それより、前半のアルビが見せた原点回帰の姿勢に光があると思う。前半は、アルビ流のサッカーで、たしかに名古屋を上回っていた。


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