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【アルビ日記】2023-15:vsG大阪 1-3

「ハマるときはハマる」

試合情報

・5/28(日)14:00キックオフ
・@デンカビッグスワンスタジアム。雨
・新潟13位、G大阪18位

アルビレックス新潟・スタメン

GK小島享介。DF藤原奏哉、舞行龍ジェームズ、千葉和彦、堀米悠斗。MF高宇洋、島田譲、三戸舜介、伊藤涼太郎、高木善朗。FW谷口海斗。
【途中出場】渡邊泰基、小見洋太、グスタボ・ネスカウ、秋山裕紀、ダニーロ・ゴメス。

試合ダイジェスト

【前半】
開始早々G大阪が先制。タッチラインぎりぎりで千葉からボールを奪ったジェバリのパスを、走り込んできた倉田が合わせた。44分、G大阪が加点。浮き玉をジェバリが競りファンアラーノへ、もう一度ジェバリへ戻してゴールへ迫り、最後はグラウンダーの丁寧なパス、ファンアラーノが仕上げた。0-2で前半終了。

【後半】
HTで新潟は3枚替え。48分、高木の左CKをニアで舞行龍が頭で合わせ、1点差に迫る。だが56分、G大阪に3点目。左サイド、浮き玉スルーパスに対し三戸と舞行龍が対応を譲り合うような形になり、走り込んだ黒川に決められた。そのまま試合終了、1-3。

窮地の名門

5連敗で最下位に沈む名門・ガンバ大阪。どこからどうみても窮地に立たされている。

不振の理由については、スペイン人のダニエル・ポヤトス監督が標榜するポゼッションスタイルがうまくハマっていない、というのが大方の見方。難しいサッカーを志向していて、歯車が噛み合いづらい、というのはもちろんあるだろう。

アルビとガンバ、どちらも理想を追い求める、ボールを握りたいチーム同士。
川崎Fにしても横浜FMにしても、今シーズンのアルビはこういうチーム相手にはがっぷり四つに組み合って、勝点3をもぎ取ってきた。
そういう意味では今日も期待できる。

ただフタを開けてみると、なんだか様子が違った。
開始早々のゴールは差し置いても、ガンバがボールを握りたい雰囲気はみえない。
むしろアルビにボールを持たせ、引っ掛けたら最前線のチュニジア人FW、イッサム・ジェバリを使ったカウンターを仕掛ける。という明快な作戦をとっているようにみえた。

このわかりやすい戦術が、今日のガンバにとっては功を奏した。
4-5-1のブロック。アルビのCBは自由にさせる。ジェバリが一応プレスにいく体になっているが、実際はあまり奪いに行かない
そうするメリットは2つ。
・アルビの攻撃のスイッチが入りづらいこと。
・カウンターになった時、ジェバリがフリーになりやすいこと。

ジェバリがふわふわしたポジション取りをする一方で、4-5のブロックは堅い。特に両サイドハーフ、倉田秋とファン・アラーノのプレスバック、カウンター時の推進力には、敵ながら頭が下がった。

試合後のインタビューでは、ガンバサイドからは「この内容は不本意。ボールを捨てる戦術は狙ったものではない」というニュアンスがうかがえたが、実際はどうか。

とにかく、いったんボールを捨てたことで勝点3を得たことは事実。

みえたオプション

アルビ側からすると、今日の3失点のうち、2つは判断ミスからくるもので、アンラッキーといえばアンラッキーな形だった。
ただ、内容もそれほどよくなかった。

ボールを持って、ゲームを支配していた、相手を圧倒していた、とはいい難い。4-5-1、終盤は5-4-1のブロックを敷くガンバに対して、ずっと手を焼いていた。

J2のときはなんとか入り込めていたところにも、J1レベルではほとんど入り込めない、ということが続いている。
しかも常にカウンターの脅威を感じながらなので、ボールを持ちながらも、なんとなく攻められているような感覚がある。

最近のアルビの傾向として、前半気圧されて、後半立て直すという流れがあり、この日もその傾向はあった。

ハーフタイムでの「修正力」という見方もできるし、入りのゲームプランニングで後れをとっている、とも言える。

そんな中でも、好材料はある。選手起用のオプションが増えたことだ。

まず渡邊泰基のセンターバック。水曜のルヴァンカップでお披露目され、手応えありとみての2戦目。左利きの器用なセンターバックは世界的にも重宝されやすいが、すごく可能性を感じた。

サイドバック出身ならではの器用さ、前への推進力。ワイドに開いた左SB・堀米への展開もスムース。終盤はタテへつける鋭いパスも何本か。アーリークロスもある。後方から局面を変えるサイドチェンジがもっとあると面白い。

対人はもともと強いので、今後は押し込まれた時の守備力とか、空中戦もみてみたい。

それから高木善朗のトップ下。これまでは伊藤涼太郎への負担が大きかったが、高木の復調はやっぱり心強い。顔出しのセンス、気の利き方は、もう、なんというか師匠だ。彼がいるとボールの循環がまた一段と円滑になる。一気に血液がサラサラになるような。

グスタボ・ネスカウとダニーロ・ゴメスのブラジル人コンビも相乗効果が期待できそう。アルビのサッカーは良くも悪くも「型」があり、それを逸脱するのがなかなか難しい部分もある。この2人はリズム、テンポが周りと違うから、いい意味で「型」を壊して、違いを生み出せる可能性があるかもしれない。

アルビはちょっと難しい時期に入っている。サッカーのシーズンにはとうぜん波がある。ノルときはノルし、ハマるときはハマる。

今日のガンバのように、(実際はどうか不明だが)望んだやり方ではないけど、いい感じにハマって結果が出る、ということもある。

けれど、内容も結果もとりに行く、というのがアルビのサッカー。
我々はそれを信じて応援するのみ。


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